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Channel: 玉ホラ日記
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"JUNGLE CRUISE" with THE ROCK

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マジかディズニー!ロック様と行くジャングルの旅。
監督はジャウム・コレット=セラ。さてはガチでやる気かw

映画『ゴーストハンターズ』~妖魔大閙小神州

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原題 BIG TROUBLE IN LITTLE CHINAイメージ 1
製作年度 1986年
製作国 アメリカ
製作 タフト=バリッシュ=モナシュ・プロダクションズ
製作予算 $25,000,000
日本公開 1987年1月17日
配給 20世紀フォックス
上映時間 99分

監督、音楽 ジョン・カーペンター
脚本 ゲイリー・ゴールドマン
    デヴィッド・Z・ワインスタイン
脚色 W・D・リクター
製作総指揮 キース・バリッシュ
    ポール・モナシュ
製作 ラリー・フランコ
撮影 ディーン・カンディ
音楽 アラン・ハワース
編集 スティーヴ・ミルコヴィッチ
    マーク・ワーナー他
美術 ジョン・J・ロイド
配役 ジョアンナ・マーリン
衣装 エイプリル・フェリー
SFX リチャード・エドランド
特殊メイク スティーヴ・ジョンソン
出演イメージ 2
カート・ラッセル:ジャック
デニス・ダン:ワン
キム・キャトラル:グレイシー
スージー・パイ:ミャオイン
ジェームズ・ホン:ロー・パン
ヴィクター・ウォン:エッグ・シェン
カーター・ウォン:雷
ピーター・クォン:雨
ジェームズ・パックス:稲妻

鑑賞 2018年6月6日
Blu-ray(発売元:20世紀フォックス・エンターテインメント)字幕
★★★★★

家族でよく横浜の中華街に行くのだけど、
年を追う毎に人出が少なくなってる気がする。
やっぱり不景気の影響なんだろか。
それともかの国に対する不信感みたいなものが
影響をしているのか。
それでも関帝様のところは人でいっぱい。
老若男女、真摯な顔つきでお祈りを捧げてる。
パン!パン!場違いなカシワ手をかます人も。
財神の関帝様、どれだけ沢山の
「景気が良くなりますように」そんな想いを
引き受けたんだろうか。大変だよな。
イメージ 3

そもそも関帝様は華僑の守護神。
我々の願いなんか何処吹く風かもしれないけど。

10年程前、香港からやって来た友人が
三国志と香港映画が大好きだと言う私に
こんなことを言った。

 中国はつまらない国になった。
 日本にサムライがいないのと同じ。
 今の中国に、関羽や諸葛孔明のような
 士大夫はもういない。
 中国の誰もがカンフーの達人じゃないし、
 ましてや空も飛ばない。
 金と物の欲に凝り固まって、今に
 この国は世界中から嫌われるようになる。
 だからもう、中国に誤った幻想を
 追うのはやめたがいいよ。

なんとも、寂しい言い草。
でも俺は言ってやったのだ。


 カン違い上等!イメージ 4
 実際の中国の姿と異なろうが、
 そんな幻想が人の心を豊かにするのなら、
 それは君らの立派な資産じゃないか。

マアネ。
奴は、ただ苦笑いするだけだった。
もっとも、これは私たちの国にも言えること
ではあるけれど。

ゴテゴテの原色に塗れた小屋の中。
いつもなんだか旨そうなもん喰いながら
相手を指差し早口に捲くし立て、
紹興酒で酔っ払って詩なんか吟じたり、
ケンカとなればテーブルの上で
ぱん!ぱん!ぱん!ぱん!ぱん!って、
ケンカなんだか、サーカスなんだか。
妖しげな術を使って火噴いたり、空飛んだり、
挙句の果てには龍なんか呼んじまったり。

そんな、私達が勝手に抱いた
中国に向けての楽しげなファンタジー。
これを空っぽ映画の名手
ジョン・カーペンターが安っぽいSFXと
軽妙なアクションで彩った脱力コメディ。
それがこの「ゴースト・ハンターズ」。
このところツイ・ハークの新旧作品を
観返したりしていたのだけど、
わざとチープに作ったSFX(ホントは凄い)
スベリ芸的なギャグ(意外にヒット率高し)イメージ 5
支離滅裂なストーリー(そこがイイんじゃない!)
本作でのカーペンターのリスペクトは、
他ならぬツイ・ハークに向けられていたこと
を再認識。

例によってリメイクの噂があるけども。
主演はあのロック様。
観たいような、観たくないような。

映画『レディ・ガイ』~女装のミシェル・ロドリゲス

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原題 THE ASSIGNMENTイメージ 1
製作年度 2016年
製作国 アメリカ、フランス、カナダ
製作 SBS・フィルムズ
製作予算 $5,000,000
配給 ギャガ+
公開 2018年1月6日
上映時間 95分

監督、脚本 ウォルター・ヒル
脚本 デニス・ハミル
製作 サイード・ベン・サイード
    ミシェル・メルクト他
撮影 ジェームズ・リストン
音楽 ジョルジオ・モロダー
    レイニー・ショクニー
編集 フィル・ノルデン
美術 レネー・リード
配役 キャンディス・エルジンガ
    シェイラ・ジャフェ
衣装 エレン・アンダーソン
出演
ミシェル・ロドリゲス:フランク・キッチン
トニー・シャルーブ:ギャレン博士
アンソニー・ラパーリア:オネスト・ジョン
ケイトリン・ジェラード:ジョニー
ケン・カージンガー:ベッカーイメージ 2
シガニー・ウィーバー:ジェーン博士

鑑賞 2018年6月9日
Blu-ray(発売元:ギャガ)字幕
★★☆☆☆

凄腕の殺し屋が生体改造されて
ミシェル・ロドリゲスになっちゃった!

マジメにバカじゃないかと思ったのだけど、
ある意味ミシェル・ロドリゲスという女優さん
の特性をフルに活用した企画とも言える。
そして監督は『ウォリアーズ』、
『ストリート・オブ・ファイヤー』等
オトコ映画の巨匠ウォルター・ヒル。
正直、期待をするなと言う方が無理なワケで。

にしても…
"女に改造されても、弾(タマ)はある"
ひでえコピーだなあと配給会社の
下品なセンスに呆れていたのだけど、
果たして観てみたらばコピーに負けず劣らず
しょうもないバカ映画だったんで驚いた。
開幕早々ミシェルの股間にでっかいチ〇コが
ブラ下がってるとか(※もちろんモザイク有)、
すさまじく加齢臭漂う下ネタが炸裂。
むしろここからイメージ 3
出オチでドッカンやらギャップ萌えやら、
「見た目はセクシーラティーノ、中身はオトコ」
というミシェル姐御おなじみの芸風を活かした
コメディで行けばそれなりに面白くなったかも
しれないけども、そもそもウォルター・ヒルが
そんな洒落の効いた映画を撮るわけがない。
ダークな世界観にコミック調の映像表現、
倒錯気味なエロスと派手なバイオレンス。
なんでもヒル監督、久々入れ込んだこの企画を
映画にする前にグラフィックノベルとして
リリースをしたものらしい。
つまりはヒル先生、『シン・シティ』みたいの
がやりたかったわけだ。
古いよ。そしてダサいよ。
まずある意味、そう言った臆面もないダサさも
ウォルター・ヒルの魅力であったわけだが、
今回に関しては老巨匠の何を今更的な
痛々しさが感じられて仕方がない。

とにもかくにもツクリコミの拙さに尽きる。
凄腕の殺し屋フランク・キッチンが女に
改造されてしまう、そのビフォーアフターが
この企画の肝のハズ。
ミシェル・ロドリゲスは確かに「男前な」
女優さんだけども、それでも立派過ぎるほどに
魅力的な女性である。
特殊メイクで鼻っ柱をゴツくしたり胸板を厚く
したりして改造前の「男」をミシェルに演じさイメージ 4
せているが、それでも女性らしい線の細さや
可愛らしい顔立ちを隠しきれていない。
ハナから男のコスプレをしたミシェルにしか
見えない。だから変身後のサプライズが
今ひとつ効いてこない。
恐らくはミシェルという素材を極力活かそうと
したのだと思うけども、
どうせならジェラルド・バトラーみたいな
ガチムチ系に「変身前」をやらせといて、
改めてミシェルのお目見えと言う風にした方が
良かったんじゃないだろか。

驚異の性転換手術に興じるマッドドクター役に
シガニー・ウィーバー。
ハリウッド随一のオトコ女フェチ、
ジェームズ・キャメロンの作品に於いて
シガニーは『エイリアン2』、
ミシェルは『アバター』で
堂々たる女戦士ぶりを披露した2人だが、
そんな2人が相対する物語の中から
相も変わらず世に蔓延る男尊女卑の風潮への
皮肉が仄かながらも読み取れる。

♂「男に間違えられねえか?」
♀「いいや。あんたは?」

これは『エイリアン2』で女性兵士が放ったイメージ 5
名台詞だが、あのバスケス上等兵こそは
まさに「レディガイ」であったよなあと、
思わず遠い目になってしまうのでありました。

映画『レザーフェイス - 悪魔のいけにえ』~ドン引き家族

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原題 LEATHERFACEイメージ 1
製作年度 2017年
製作国 アメリカ
製作 ミレニアム・フィルムズ
    メインライン・ピクチャーズ
    ライオンズゲート他
公開 2018年5月12日
配給 松竹
上映時間 90分

監督 ジュリアン・モーリー
    アレクサンドル・バスティロ
脚本 セス・M・シャーウッド
製作総指揮 トビー・フーパー
    キム・ヘンケル
    ジョン・ラッセンホップ
    ケヴィン・グルタート他
製作 クリスタ・キャンベル
    ラティ・グロブマン
    レス・ウェルドン他
撮影 アントワーン・セニエ
音楽 ジョン・フリッツェル
編集 セバスティアン・ド・サン・クロワ
    ジョシュ・イーセア
美術 アラン・ベネ
配役 ジェレミー・ジマーマン
衣装 アイナ・ダミアノヴァイメージ 2
出演
スティーヴン・ドーフ:ハートマン保安官
リリ・テイラー:ヴァーナ
サム・ストライク:ジャクソン
ヴァネッサ・グラッセ:リジー
フィン・ジョーンズ:ソレルズ副保安官
サム・コールマン:バド
ジェシカ・マドセン:クラリス
ジェームズ・ブロア:アイク
クリストファー・アダムソン:ラング医師

鑑賞 2018年6月13日
チネ・ラヴィータ 字幕
★★★☆☆

今までのあれやこれやを無かったことにして
作られた、『悪魔のいけにえ』のビギニング。
どこからどこまで無かったことになったのか
は今イチよく分からないが、マイケルベーの
アレがすっ飛ばされたのは間違いない。
(自分は好きだけど)

ぶっちゃけオリジナルがアレなもんだから
どっちみち物足りないのは承知の上でイメージ 3
観に行ったのだけど、やはり思った通りの
無難な仕上がり。
誰もが思い描く「テキチェン」のイメージ
から逸脱することなく、今ドキの鬼畜ホラー
に至る要素を小綺麗に並べ立てた印象。
監督は『屋敷女』のジュリアン・モーリーと
アレクサンドル・バスティロ。
タガが外れたやりすぎスプラッタで世界中
の鬼畜さん達をドン引きさせた2人だが、
実はさほど傑出した異才と言うわけではなく、
どちらかと言えばミーハーなファン気質に
基づいた作品を志向する人達かと感じる。
元々はジャンル映画の評論家としてで活動
していたという2人。『屋敷女』にしても
とにかく三池崇史みたいのをやりたい!
その一心でドン引き必至の描写を盛り込んだ
に過ぎなかったわけで
(やや加減を間違えてしまってはいたが)、
続く『リヴィッド』ではアルジェント映画、
『恐怖ノ白魔人』ではスピルバーグ印と、
明瞭なトリビュートを捧げてもいた。
作品全体のバランスを顧みることなく
「好き」を優先させ、そしてノリ重視。
アジャやパスカル・ロジェと言った
フレンチゴアの同期生よりもむしろその
感性はロブ・ゾンビに近いような気がする。

そんな2人がロブ・ゾンビに同調したのかはイメージ 4
分からないが、ある少年が
「なぜ人の皮を被った悪魔になったのか?」
という『ハロウィン』的アプローチ。
映画の殺人鬼に情状酌量なんて要らないん
じゃないかと私なんかは常々思うのだけど、
所謂「ビギニング」としては常道の手口だし
そもそも企画自体がソコありきなので仕方が
ない。
途中で入れ込んできた捻りはアイディアとし
ては面白いが、ちょっと読めちゃうんだよな。
もう少し後まで引っ張っても良かったような。
屋敷コンビということで18禁を食らったと
いうゲロゲロ方面には実は期待をしていたの
だけど、思いのほかパンチが足らず。
これだったらマイケルベーの「ビギニング」
の方が数段エグかったような。

前の『テキサス・チェーンソー3D』は
内容こそダメダメだったが、ヒロインの
アレクサンドラ・ダダリオがものすごい
ボディラインを露わにして爆走する眼福ぶり
で体面を保ったようなもんだった。
本作のヒロイン、ヴァネッサ・グラッセも
これまた素晴らしいプロポーションで、
見せ場に入る前にナース服からピチピチの
ミニワンピに着替えてから走らせるという
用意周到ぶり。ここはもしや製作に加わったイメージ 5
前監督ジョン・ラッセンホップの指示では
ないかと推察。
そしてこの肉感的な美女があられもない
絶叫を上げながら爆走する図というのは、
『2』のキャロライン・ウィリアムズから
ベイ版リメイク2作のジェシカ・ビールに
ジョルダナ・ブリュースターと、
もはや「テキチェン」名物の恒例行事と
言っていいのかもしれない。

映画『シンクロナイズド・モンスター』~大いなる飲酒には大いなる責任が伴う

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原題 COROSSALイメージ 1
製作年度 2016年
製作国 スペイン、カナダ、アメリカ、韓国
製作 ルートワン・エンターテインメント
    トイ・ファイト・プラダクションズ
    ブライトファイト・ピクチャーズ他
公開 2017年11月3日
配給 アルバトロス
上映時間 109分

監督、脚本 ナチョ・ヴィガロンド
製作総指揮 ショーン・ウィリアムスン
    ジャスティン・バーシュ
    アン・ハサウェイ他
製作 ニコラス・カルティエ
    ナヒカリ・イピーニャ
    ドミニク・ラスタム他
撮影 エリック・クレス
音楽 ベア・マクリアリー
編集 ベン・ボーデュイン
    ルーク・ドーラン
美術 スー・チャン
配役 モーリーン・ウェブ
衣装 アントニエッタ・メサム
出演
アン・ハサウェイ:グロリア
ジェイソン・サダイキス:オスカーイメージ 2
オースティン・ストーウェル:ジョエル
ティム・ブレイク・ネルソン:ガース
ダン・スティーヴンス:ティム

鑑賞 2018年6月16日
Blu-ray(発売元:ハピネット)字幕
★★★★☆

「酒は飲んでも飲まれるな」とよく言うが、
私はその飲まれてしまう人間である。
飲んで気分が良くなるとなんもかんもが
どうでもよくなり、財布の中も体力も
尽きるまで飲んでしまう。
「ああ。またやってしまった。」
頭痛と胸のムカつき、そして家族の冷たい
視線を感じながら自己嫌悪に陥るのは
毎度のこと。
それでこんなことじゃイカンと
朝早いアルバイトを始めてみたのだけど、
さすがに次の日が仕事となると無茶な
飲み方はしなくなった。
案外マジメな勤めぶりに自分でもホッと
する一方で、「所詮はその程度か」と。
ハメを外さずにちっさく縮こまった
自分の小市民ぶりに、ガッカリと言うか
軽く苛立ちを感じたりもする。イメージ 3

さて本作は
そんな自己管理の出来ないダメウーマンに
アン・ハサウェイが扮する映画。
主人公のグロリアは作家になる夢を見て
ニューヨークに出てきたが、
毎夜パリピみたいな連中と遊び惚けてばかり。
その自堕落放題にカレシが遂にブチ切れ、
同居していたアパートを追い出されてしまう。
行く当てのないグロリアはやむなく郷里に
戻って来るが、運よく幼馴染のオスカーと
再会、その経営するバーで働くことになる。

その時遠く離れたソウルの地では
未曾有の怪事件が起きていた。
街中に突如として巨大な怪獣が現れたのだ。
特に建物を壊す風でもなく、
ぼーっと歩き回ったりポリポリ頭をかいたり
して、暫くすると消えて行く。
テレビでその様子をなんとなく眺めていた
グロリアであったが、その頭をかく仕草が
自分とそっくりなことに気付く。
そして怪獣の行動が自分の動きと完全に
シンクロしていたことが分かる。
小さな公園に砂場があって、そこが
なにか不思議なフィールドになっている。イメージ 4
早朝のある時刻にグロリアがそこに立つと、
なぜかソウルの街に怪獣が現れるのだ。
確かに自分はあの朝、バーからの朝帰りで
この場所を通った。そして頭をかいた。
すっかり面白くなってしまったグロリアは
翌朝に飲み仲間を連れて砂場へとやって来る。
案の定ソウルの街に怪獣が現れたが、
酒気帯びのグロリアは砂場で転んでしまう。
ふざけ半分の行動がソウルの街に甚大な
被害を及ぼしたことを知り、グロリアは
呆然とするのだが-

監督のナチョ・ヴィガロンドは
『ブラックハッカー』や『タイムクライムス』
など、毎度奇抜で極限定的な設定を好んで
仕掛けて来る作家さんなのだけど、
本作もやはり同様。
モンスターと同期するフィールドとか、
こんな中2みたいな思い付きを実際に映画に
しちゃおうという姿勢がまずすごい。
従来の作品ではいかにも設定ありきな
ストーリーの薄っぺらさが散見されたが、
本作ではそんな難点を払拭。
単なる異色SFに留まらず、
ダメ人間と堅物男との対立項から
女の打算と男の執着、そして日々の生活の中
で矮小化された自己に対する不安や嫌悪など、イメージ 5
思いの他に骨太なテーマが描かれている。

スペインきってのヲタ監督としても知られる
ヴィガロンド監督。
デルトロへのリスペクト、もしくは対抗意識
もあったのか。『パシフィック・リム』を
意図的に模した(そして茶化した)と思われ
る個所も多い。
ゴジラを勝手に使おうとしたとかしないとかで
東宝さんに訴えられたらしいけども、
そのせいでモンスターのデザインだけでなく
舞台も「東京じゃないところ」に変えさせ
られてしまったとか。
まずパッと見では東京だろうがソウルだろうが
大差はないのかもしれないけど、
PCに描かれた浮世絵の柄であったり
「布団(英語でフトン)サイコー…」の件など、
その名残がいくつか残っている。
主人公の日本に対する想い、
そもそもなぜ「KAIJU」が現れたのか?と
いったテーマが、東京ではない街を舞台にし
たことでややボヤけたものになってしまった

映画『ドクター・モローの島』~豹を連れた女の謎

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原題 THE ISLAND OF DR.MOREAUイメージ 1
製作年度 1977年
製作国 アメリカ
製作 AIP
製作予算 $6,000,000
公開 1978年1月28日
配給 松竹富士
上映時間 99分

監督 ドン・テイラー
脚本 アル・ラムラス
    ジョン・ハーマン・シェイナー
原作 H・G・ウェルズ
製作総指揮 サミュエル・Z・アーコフ
    サンディ・ハワード
製作 スキップ・ステロフ
    ジョン・テンプル=スミス
撮影 ジェリー・フィッシャー
音楽 ローレンス・ローゼンソール
編集 マリオン・ロスマン
美術 フィリップ・ジェフリーズ
配役 ベティ・マーティン
衣装 リチャード・ラモッテ
特殊メイク ジョン・チェンバース
    トム・バーマン他
出演
バート・ランカスター:モロー博士イメージ 2
マイケル・ヨーク:アンドリュー
ナイジェル・デイヴンポート:モンゴメリ
バーバラ・カレラ:マリア

鑑賞 2018年6月19日
DVD(発売元:20世紀FOXホーム・エンターテインメント・ジャパン)字幕
★★★☆☆

たまには昔懐かしのB級SFを。
小中学生の頃はテレビの洋画劇場で
よく観る定番の一本だった。

むかしむかし。
太平洋上で嵐に遭い沈没した帆船レディ・
ベインの乗組員アンドリュー・ブラドックは
救命ボートで十数日の漂流ののちに
とある孤島に辿り着く。
島の奥へ踏み込んで行くと一見不釣り合いな
ほどに大きな屋敷が建っており、
その主人はモローという男だった。
モローは生物学者であり、
この島で染色体の研究をしているのだと言う。
たくさんの動物に囲まれ、
ハンターのモンゴメリと現地人らしき召使い、
そしてマリアという女性が共に暮らしていた。
ミステリアスな魅力のマリアに惹かれながら、
モロー邸に厄介を決め込むアンドリュー。
が、やがてその研究の恐ろしい全貌を知るこイメージ 3
ととなる-

原作は「SFの父」H・G・ウェルズの小説
「獣人島」。
これまで3度映画化されたが、
どれもそこそこの佳作揃いと言われている。
本作はその2番目であり、おそらくは最も
ポピュラーな一本と言っていい。
モロー博士の恐ろしい研究。
それは島に棲む野生動物のDNAを操作し、
人間に改造してしまうというものだった。
正直、注射一本で人間化とかどうなんだと
思わざるを得ないのだけど、まずそんな
あたりも昔のB級SFの趣と言えなくもない。
クマ人間やらヒヒ人間やらブタ人間やら、
獣人たちのメイクも今の目で見ればハロウィン
のゴリラマスクなんかと大差ないのだけど、
ジョン・チェンバース、トム・バーマンと
言った『猿の惑星』のチームが手掛けた
特殊メイクは当時としては最高峰のもので
あったらしい。

一、四つ足で歩くべからずイメージ 4
一、肉を生で食うべからず
一、他のものに襲いかかるべからず
一、血を流すべからず

人間としての「4つの掟」を獣人たちに
唱えさせてはすっかり神様気どりの博士。
が、当の博士が獣人たちの前で堂々と
殺人を犯す始末。
結局は獣も人間もたいして変わりはない。
否、人間も所詮は獣の一種に過ぎないのだと。
さほど目を引くような見せ場はないものの、
控えめな語り口で痛烈なイヤ味を飛ばす
「SF映画」の醍醐味を久々に堪能した。

唯。ラストまで見て
「あれっ、こんな気の抜けた話だったっけ?」
もうちょっと、『猿の惑星』並みに
衝撃的な終わり方だった気がするんだけど…
と調べてみたら案の定、
この映画には「テレビ放映版」と「ビデオ版」
の2つのバージョンがあるらしく。
現在DVDで観ることができるのは「ビデオ版」
であり、当初の「テレビ放映版」にあった
「衝撃のラストシーン」をまるっと削って
無理矢理ハッピーエンドにしちゃったらしい。
一体誰に対しての忖度かは知らんけど、
なんとも無粋な改悪にガッカリ至極。
そもそもこれじゃバーバラ・カレラをヒロイン
にした意味がハナからないじゃないかと。

映画『D.N.A./ドクター・モローの島』~VFXの魔術師と白塗りモノマネ

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原題 THE ISLAND OF DR.MOREAUイメージ 1
製作年度 1996年
製作国 アメリカ
製作 ニューライン・シネマ
製作予算 $40,000,000
配給 ギャガ=ヒューマックス
公開 1996年10月19日
上映時間 100分

監督 ジョン・フランケンハイマー 
脚本 リチャード・スタンリー
    ロン・ハッチンソン
原作 H・G・ウェルズ
製作総指揮 ティム・ジネマン
    クレア・ルドニック・ポルステン
    デボラ・ムーア
製作 エドワード・R・プレスマン
撮影 ウィリアム・A・フレイカー
音楽 ゲイリー・チャン
編集 ポール・ルベル
    アダム・P・スコット
美術 グラハム・"グレイス"・ウォーカー
配役 ヴァレリー・マキャフリー
衣装 ノーマ・モリソー
特殊メイク スタン・ウィンストン
出演
マーロン・ブランド:モロー博士イメージ 2
ヴァル・キルマー:モンゴメリ
デヴィッド・シューリス:ダグラス
ファイル―ザ・バーク:アイッサ
ダニエル・ライニー:ハイエナ
ロン・パールマン:長老

鑑賞 2018年6月22日
Blu-ray(発売元:ワーナー・ホームビデオ)字幕
★★★★☆

「定番」の70年代版に比べて、
なにかと残念な評価の多い90年代版
「ドクターモロー」。
まだ未見だったし、スタン・ウィンストン
の命日が近かったのもあって手に取った。

大海原にぷかぷかと浮かぶ救命ボート。
前作と基本は同じと思いきや、
冒頭から乗組員同士が水を奪い合っての
醜い殺し合いで幕を開ける。
勝者一人がボートに残り、
敗者は海に投げ込まれてサメのエサ。
「所詮、人間も獣も変わりはない。」
前作にもあったイヤミをより強く
打ち出して来てるのがよく分かる。
ここから海賊船の件を挟んで島に至るのをイメージ 3
見ても判る通り、ウェルズの原作により
近い映画化を目指していたものと思われ。

当初は『ハードウェア』の
新鋭リチャード・スタンリーがノリノリで
企画したものだったらしいけども、
マーロン・ブランドにヴァル・キルマーと
クセが凄い面々とまるでソリが合わなかっ
たとかで途中降板。
そこからバトンを継いだのがベテランの
ジョン・フランケンハイマー。
さほど派手な経歴はないものの、
『フレンチ・コネクション2』や
『プロフェシー恐怖の予言』等、
娯楽映画のツボをしっかり弁えた名職人と
言った印象。
本作でもその老練ぶりは相変わらずで、
前作よりもメリハリの効いた快作に
仕上がっていた。

ただ単に無難なリメイクというわけでは
やっぱりなく。イメージ 4
前出の通り完成までに相当難儀な伴う
企画だったようだけども、その紆余曲折
ぶりが却って本作に不思議なテイストを
加えていたとも言える。
その最たるものがマーロン・ブランド。
ご存知の通りの大御所ぶりを発揮して
脚本まで大幅に変えさせたらしいけども、
それでもモロー博士と言うステレオタイプ
のマッドサイエンティストに超然とした
存在感を与えてしまうあたりは流石とイメージ 5
言うほかない。
大御所の向こうを張ったヴァル・キルマー
のクレイジーなハジケっぷりも面白い。
白塗りでマーロン・ブランドのモノマネ
やってたとこなんかはくっきーの白塗り
モノマネみたいで思わず吹いた。
そう言えばベルーシもやってたけど、
マーロン・ブランドのモノマネって
日本で言うイノキとか長嶋茂雄みたいな
もんなのかも。フレーズだけで成立しち
ゃうみたいな。イメージ 6
ついでながらヒロインのネコ娘が
前作ではラストのサプライズだったけども、
今回はハナから「みんな知ってる」前提。
イヤなやつが来るとしゅしゅーっ!と
逃げて遠くから見張ってる様とか、
ご主人の足元に纏わりつく仕草とか、
いかにも「中身はネコ」な感じが可愛らしい。
扮するファイル―ザ・バークはディズニーの
『オズ』('86)でデビューした子。
10年経ってもあんまり変わってないんで
ビックリした。
ちなみに『オズ』("Return to OZ")は
ご存知『オズの魔法使い』の続編として
製作したものだったが当時にしては早すぎた
ダークファンタジー仕立てがまるでウケずに
黒歴史と化してしまった。
自分としてはすごく好きな一本で、早いとこ
ブルーレイ化してほしいところなのだけど。

そしてやっぱり「VFXの魔術師」
スタン・ウィンストンが手掛けた獣人たちの
素晴らしさ。
ハロウィンマスク同然だった20年前の
前作を見た後ではそのクオリティ、
そしてオリジナリティは雲泥の差。
そのツクリコミの妙がモンスター映画として
のグレードを一段上げていたのは間違いない。
唯。長老役ロン・パールマンについては
ノーメイクで行った方が良かったんじゃな
いかと。

映画『獣人島』~人間の掟と獣の性

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原題 ISLAND OF LOST SOULSイメージ 1
製作年度 1932年
製作国 アメリカ
製作 パラマウント・ピクチャーズ
製作費 $300,000
上映時間 70分

監督 アール・C・ケントン
脚本 ウォルデマー・ヤング
    フィリップ・ワイリー
原作 H・G・ウェルズ
撮影 カール・ストラス
出演
チャールズ・ロートン:モロー博士
リチャード・アーレン:パーカー
レイラ・ハイアムズ:ルース
アーサー・ホール:モンゴメリ
スタンリー・フィールズ:デヴィス船長
キャスリーン・バーク:ロタ
ベラ・ルゴシ:掟の番人

鑑賞 2018年6月27日
DVD(発売元:ブロードウェイ)字幕
★★★★☆

前にも書いた通り、H・G・ウェルズのイメージ 2
小説「ドクター・モローの島」は
これまでに3回映画化されている。
はじめはスタン・ウィンストンの映画と
いうことで90年代のリメイク版を
手に取ったのだけど、
この際全部買っちゃいなさいよ奥さん!
みたいな感じで3本全部を全部観る展開に
なってしまった。
そもそもこんな大昔のマイナーなタイトルは、
そのうち観ようと思いながらも
こういう機会でもなければ
ついつい機会を逸してしまうわけで。

というわけで本作『獣人島』は
その最初の映画化作品。
製作は1932年、
『フランケンシュタイン』の翌年だ。
まず。所詮は大昔の白黒映画、
本気で楽しむと言うよりは蘊蓄の一つとして
押さえとけ程度のつもりだったのだけど、
これが思いの他に出来がイイんで驚いた。
ぶっちゃけ後の2本よりも断然内容の濃い、
そしてガチで恐ろしい一本でありました。

開幕はやはり大海原のド真ん中。
救命ボートの上で息絶え絶えだった
青年エドワード・パーカーが怪しい密輸船に
担ぎ込まれるところからお話は始まる。イメージ 3
郷里まで送り届けてもらえるはずだったが、
飲んだくれの船長と諍いを起こしたお陰で
途中寄港した孤島で降ろされてしまう。
共に下船した医師モンゴメリの計らいで
パーカーは島で唯一の屋敷に招かれる。
その屋敷の主人こそがモロー博士。

「モンゴメリが選んでくる酒はいつも
間違いがないな」
晩餐の席でパーカーを見つめ不気味な笑みを
浮かべるモロー博士。
ご存知の通り、博士は様々な動物を
人間に改造する研究を行っていたのだが、
その中でも自信作だったのが雌のヒョウから
作り出したロタ。
イケメンのパーカーをロタの前にあてがい、
懇ろな間柄にしてロタを妊娠させてしまおう
と企んでいたのだ。
後年のリメイク2作では孤島に籠って
気儘なマッドドクター業を謳歌していた感の
モロー博士だが、本作の彼はそうではない。
人間の子を宿した「完成品」を引っ提げ、
学会に堂々返り咲こうとしているんである。
チャールズ・ロートンのヤケに生理的嫌悪をイメージ 4
煽る存在感、禍々しいキャラクター像の
前にはバート・ランカスターの威風も
マーロン・ブランドの狂気も完全に霞む。
そして後半、パーカーの身を案じた
フィアンセが孤島にやって来れば、これまた
幸いとばかりに盛りのついたゴリラ男を
フィアンセの部屋に忍び込ませる始末。
恐ろしい!研究の成就のためにはどんな
非道な行為も正しいと信じて疑わないから
始末に負えない。
なのでその最期も因果応報と言うべきなのだが、
にしてもあのシーンは怖かったなあ。
ちょっとトラウマになりそう…

獣人たちのメイクにしてもいかにも前時代的
なものなのだけど、モノクロのせいもあるが
却ってそれが体毛の濃い人間の出来損ないと
言った感じで、妙にリアルに見えたりもする。
獣人の代表格「掟の番人」に扮していたのが
ベラ・ルゴシ。『魔人ドラキュラ』の翌年に
こんな端役を当てられる凋落ぶりは涙を誘うが、
どこかぶっ壊れた演じっぷりが役に迫力を
加えていたようにも思う。


映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』~スター・ウォーズに「疲れる」人々

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原題 SOLO / A STAR WARS STORYイメージ 1
製作年度 2018年
製作国 アメリカ
製作 ルーカス・フィルム
    ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
    アリソン・シェアマー・プロダクションズ
    イマジン・エンターテインメント
製作予算 $300,000,000
配給 ウォルト・ディズニー・スタジオズ・ジャパン
公開 2018年6月29日
上映時間 135分

監督 ロン・ハワード 
脚本 ジョナサン・カスダン
    ローレンス・カスダン
原案 ジョージ・ルーカス
製作総指揮 フィル・ロード
    ジェイソン・マクガトリン
    クリストファー・ミラー他
製作 アリソン・シェアマー
    キャスリーン・ケネディ
    サイモン・エマニュエル他
撮影 ブラッドフォード・ヤング
音楽 ジョン・パウエル
    ジョン・ウィリアムス
編集 ピエトロ・スカリア
美術 ニール・ラモントイメージ 2
配役 ニコール・アブレラ
    ニナ・ゴールド他
衣装 デヴィッド・クロスマン
    グライン・ディロン
出演
オールデン・エアエンライク:ハン・ソロ
ヨーナス・スオタモ:チューバッカ
ウディ・ハレルソン:ベケット
エミリア・クラーク:キーラ
ドナルド・グローヴァ―:ランド
タンディ・ニュートン:ヴァル
ジョン・ファヴロー:リオ(声)
フィービー・ウォラー=ブリッジ:L3-37
ポール・ベタニー:ドライデン
リンダ・ハント:レディ・プロキシマ(声)

鑑賞 2018年6月30日
仙台東宝シネマズ(IMAX-3D)字幕
★★★★☆

シリーズ随一の庶民派ハン・ソロを担ぎ上げ、
ロン・ハワードという鉄板の監督をほぼ
ムリヤリねじ込みながらも、本国で深刻な
コケっぷりを記録してしまったこの映画。
なんでも人々が「スターウォーズ疲れ」を
感じ出したのが一因ではないかと言われてイメージ 3
いるけども、果たしてスターウォーズとは
そんなにしんどい代物なんだろうか?

言うまでもなくSWは史上最も興収を上げた
映画シリーズであり(ギネス上では最近
マーベルに抜かれてしまったらしいけども)、
コアなファン層のみならず世界中の人々が
世界観を共有する「神話」でもある。
新作が公開されれば世界中が祭りで沸き、
その年の興収トップを飾るのが常。
だからこそディズニーは40.5億ドルという
途方もない額でルーカスフィルムを買い取り、
SWを永遠に続けようと目論んだわけで。

かく言う自分もスターウォーズは大好きだ。
10歳の夏、友人と連れ立って初めて子供だけ
で劇場に観に行ったのが『スター・ウォーズ』
の1作目。
ドロイドやエイリアンの群れに夢中になり、
クライマックスのトレンチドッグファイトに
人生初の脳内エクスタシーを覚えた。
今に至る映画浸りのまさにキッカケとなった
一本と言っていい。
なので全作とも初日に劇場に駆け付けてきたし、
DVDやBDで何度も観返したりもしてる。
かと言って全肯定かと言えばそうでもなく、イメージ 4
『ジェダイの復讐(帰還?)』は
80年代ならではの打算の産物かと思うし、
アナキンさんトリロジーについては
ジョージ・ルーカスの耄碌ぶりが際立った
凡作揃いと思っている。
元々のアニメ嫌いゆえ『クローンウォーズ』
あたりはどうも手に取る気になれず、
「レジェンズ」に至っては以ての外。
SWの細々としたトリビアについては正直
語れる自信がない。
所詮はその程度。コダワリがないと言えば
確かにそうかもしれない。

だからなのか、真摯なSWマニアには
いたく不評だった『最後のジェダイ』も
自分はすごく満足できた。
ある意味斬新なフォースの解釈はさほど
違和感を感じなかったし、いつになく攻めた
ストーリーにも理屈抜きに感激できた。
「あんなのSWじゃない」という声を耳に
するにつけ、そんなにブチ壊しだったかなあ
と心底不識議になる。
まず、分かるんだけどね。
好きだからこそ大事にしたいものがある。
守ってほしいものがある。イメージ 5
SWというのはジョージ・ルーカスが
ざっくりと描いた物語の裏やら隙間やらを
ファンそれぞれの想いが埋めたり継ぎ足して
行ったりした集合体のようなものだと思うの
だけど、それだけに「かくあるべし」といった
コダワリがSWの世界を必要以上に堅苦しい
ものにしているような気がする。
だからこれからの新しいSWに向けて、
「わしらの役目はもう終わった」と
ヨーダ師匠に言わせたんじゃないだろか。

ただその一方、莫大な元手を回収するために
ディズニーのあからさまな商売っ気は誰の目
にも見え見えである。
そこからのスピンオフであり、
エピソード9以降の新シリーズである。
(ルーカス曰く「ディズニーはSWに100年
以上稼がせる」つもりらしい)
新時代を謳いながらも、出来るだけ長く堅実
に収益を上げようという「守り」の姿勢に
つい辟易を感じてしまうのも無理はない。

この『ハン・ソロ』はそんなディズニーが
強かな商魂とコトナカレ主義の果てに放った
SWブランドの安パイ的一本である。
前評判こそアレだが、観てみると想像以上に
「無難」な充実度に驚いた。イメージ 6
ロン・ハワードのこなれた演出ぶりに、
カスダン父子のツボを押さえた本も見事。
いちいち魅力いっぱいなキャラの描き込みも
去ることながら、フォースなんか一切ない
普通の人々の関わり合いの中に
「誰も信じるな。」人々のリアルな光と闇を
描いたストーリーも素晴らしく、「その後」
の彼らの行動原理を思うとまた感慨深い。
突っこみ型のマニアには食い足りないだろうが、
シリーズを一通り観て来たくらいの人には
程よく楽しめる「番外編」じゃないかと。
「SWに飽きちゃった」人はともかく、
前評判で鑑賞をためらっているのなら
是非とも劇場へ足を運ぶことをお勧めしたい。

映画『悪女 / AKUJO』~殺りすぎ!エグすぎ!思い込みすぎ!

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原題 악녀 / THE VILLAINESSイメージ 1
製作年度 2017年
製作国 大韓民国
製作 ネクスト・エンターテインメント・ワールド
    APEITDA
公開 2018年2月10日
配給 KADOKAWA
上映時間 124分

監督、脚本、製作 チョン・ビョンギル
脚本 ユン・ビョンシク
製作総指揮 キム・ウテク
撮影 パク・ジョンフン
音楽 グ・ジャワン
編集 ヘ・スンミ
美術 キム・ヘジン
アクション指導 チョン・ビョンギル
    クォン・ギドク
出演
キム・オクビン:スクヒ
シン・ハギュン:ジュンサン
ソン・ジュン:ヒョンス
キム・ソヒョン:クォン幹部
キム・ヨヌ:ウネ
ミン・イェジ:スクヒ(少女期)

鑑賞 2018年月日
DVD(発売元:KADOKAWA)字幕イメージ 2
★★★★★

~悪女になるなら月夜はおよしよ
素直になりすぎる

「悪女」と聞くとどうしても
中島みゆきの唄を思い出してしまう。
要はトシですな。

公開前から話題になっていた、
韓国のアクション映画。
正直『ニキータ』を韓国風に
ちょっとヤリスギ程度にしたもんかと
タカをくくっていたのだけど、
いや、いやいやいや!(震笑)
ちょっとヤリスギどころか、
『ザ・レイド』や『ジョン・ウィック』
にも匹敵する超絶ガチンコアクションの
大傑作でありました。

まずはのっけからのFPSカチコミシーン
でド肝を抜かれた。
FPS自体は前に『ハードコア』なんかでも
やってたし別段目新しいものではないのだ
けど、ただ頭にカメラを乗っけただけの
バカチョンPOVとは違い、イメージ 3
物凄く計算し尽くされたカメラワークで
「え?どうやって撮ってんの?」と
思う間もなく修羅場の真っただ中に
放り込まれてしまう。
アクション好きならこのファーストシーン
だけでアドレナリンを出し切ってしまう
可能性大だ。

勿論これだけでは終わらない。
中盤の高速バイクチャンバラから
クライマックスのバス内大乱闘に至るまで、
「どうかしてるよ!」と言いたくなるほどに
狂ったアクションシーンがゾロゾロ続く。
1つ1つはどこかで見たことあるような
アクションなのだけど、それでいてオリジ
ナルをより激しく、斬新なものへと趣向を
凝らして作ってある。
そしてこれでノーCGと言うから参ってしまう。
なんでも監督はスタントマンの出身だそうで、
前出の『ニキータ』や『ザ・レイド』、
そして『ボーン・アイデンティティ』に
『ポリス・ストーリー』等々、古今東西の
アクション映画にリスペクトを捧げつつ、
それでいてハッタリでもなんでもなく
「この際てっぺんいったるわい!」とでもイメージ 4
いう風な不敵な気概が伝わって来る。
にしても韓国映画は相変わらずアツいなあ。
『新感染』のヨン・サンホ然り、
ポン・ジュノやキム・ジウンらに続く
新しい世代の充実ぶりをひしと感じる。

とにもかくにも主演のキム・オクビンに
尽きてしまう。
普通こういうヒロインアクションは
クールな眼差しで相手を仕留めて行くのが
定番だが、まさに羅刹の如き表情で
雄々しい咆哮を上げ時には泣き叫び、
マシンガンを乱射しドスやら斧を振り回す
「悪女」ぶりにホレボレした。
パク・チャヌクの『渇き』でもドンビキの
エロシーンをやってのけていたけども、
まったく肝の据わった女優さんである。

一方ストーリーによくありがちな
「韓流」風のベタ甘ラブストーリーが
絡んできてちょっと好みじゃないなあと
感じたのだけど、それが却って本作に
従来のガチンコアクションにはない魅力を
添えていたとも言える。
雨のように降り注ぐ暴力のひとつひとつに
人間のあまりにもピュアで重過ぎる想いがイメージ 5
込められている。
韓国映画といえばエゲつないバイオレンス
描写がウリだけども、その中に込められた
「濃さ」こそが魅力であるわけで。
この悲劇を生み出した男の最後の一言に
ああ、やっぱり「恨」の国の人々だなあと。
こうやって取り返しのつかない間違いを犯し、
後悔を抱えながら悶々と生きて行く人々。
それは少なからず私達にも通じるものが
あるわけで。

後から思うと、中島みゆきを連想したのは
あながち的外れでもなかったかもしれない。
そう言えば、「恨みます」という唄も
あったっけ。

映画『ジグソウ:ソウ・レガシー』~あ~あみんな■ねばいいのに!!

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原題 JIGSAWイメージ 1
製作年度 2017年
製作国 アメリカ、カナダ
製作 トウィステッド・ピクチャーズ
    セレンディピティ・プロダクションズ
    ア・ビガー・ボート
製作予算:$10,000,000
公開 2017年11月10日
配給 アスミック・エース
上映時間 92分

監督 マイケル・スピエリッグ
    ピーター・スピエリッグ
脚本 ジョシュ・ストールバーグ
    ピート・ゴールドフィンガー
原案 ジェームズ・ワン
    リー・ワネル他
製作総指揮 ピーター・ブロック
    ジェイソン・コンスタンティン
    ダニエル・J・ヘフナー他
製作 グレッグ・ホフマン
    マーク・バーグ
    オーレン・クルーズ
撮影 ベン・ノット
音楽 チャーリー・クラウザー
編集 ケヴィン・グルタート
美術 アンソニー・カウリーイメージ 2
配役 ステファニー・ゴーリン
衣装 スティーヴン・ライト
出演
マット・パスモア:ローガン
ハナ・エミリー・アンダーソン:エレノア
カラム・キース・レニー:ハローラン
クレ・ベネット:キース
ローラ・ヴァンダヴォート:アナ
ポール・ブローンスタイン:ライアン
マンデラ・ヴァン・ピープルズ:ミッチ
ブリタニー・アレン:カーリー
トビン・ベル:ジグソウ

鑑賞 2018年7月10日
Blu-ray(発売元:ポニーキャニオン)字幕
★★★☆☆

…というのはかの有名な武田鉄矢さん
(※モノマネの方)の名言であるが、
このシリーズのメインキャラクター、
ジグソウさんもまたタダならぬほどの
怒りを湛えたお人である。

お前が小銭欲しさにバッグを盗んだせいで、
罪もない女性がバッグの中の薬が飲めずに
死んでしまった。イメージ 3
人間の生命の重みを知るが良い。
じゅわじゅわごぼごぼぐえーっ!
(※首筋に注射器で硫酸をブチ込まれて
ズル剥けになって行く音)

お前が売りつけたバイクで無垢な少年が
事故死をしたが、お前はそのバイクの欠陥を
知って知らぬふりをしていた。
その薄汚れた性根を悔い改めろ。
ざくざくずばずばどしゃーっ!
(※ミキサー式の粉砕機に投げ込まれ
全身ズタズタに切り刻まれる音)

お前が私腹を肥やすために無罪放免にした
犯罪者共が、どれだけの悪行を重ねたか
分かっているのか?
貴様に人間を裁く資格なぞないことを知れ。
びりびりずぶずぶべろーん!
(※レーザーメスで頭を縦に8等分される音)

盗人。守銭奴。浮気者。ヤク中。ホラ吹き。
ジグソウさんのゲームに駆り出されるのは
どれもゲスで卑怯でだらしのない人達である。
そしてジグソウさんの目的と言うのは
こうした「死ねばいいのに」的な人達に
「生きることの尊さに気付かせてやる。」
私憤や復讐というものではない。イメージ 4
自分が末期ガンで死ななきゃならんという
のに、のうのうと自堕落で無責任な生き方
をしてる奴らが許せないんである。
確かに被験者たちの行為は肯定されるべき
ものではないし、ジグソウさんの意見は
蓋しもっともである。
が、それにしてもこれら取るに足らない
小悪人を拉致した上で殆どクリア不能な
無理ゲーに投じ、じわじわなぶり殺しに
するなんてのはさすがに度が過ぎるとは
言えまいか。
末期ガンと言いながら恐ろしく手の込んだ
惨殺装置やゲームの舞台をちまちま仕込む
大道具さんぶりには、空恐ろしさを通り越
して滑稽さすら感じる。
そもそも被験者達が糾弾された理由が真実
だったかどうかすら怪しい。赤ん坊の死が
夫の寝返りによる圧迫死ではなく、
ノイローゼに陥った悪妻が縊り殺したとか、
あんたがなんでそれを知ってんの?という
レベルである。隣家から聞こえる口喧嘩や
奥さんの表情から推測しただけの勝手な
思い込みに過ぎないかもしれない。

更に真に恐ろしいのはジグソウさんが
実はとっくに死んでいたというところ。
ジグソウさんの正義に感化をされた人々が、イメージ 5
縁もユカリもないつまらん他人に怒りの炎
を燃やし、「死ねばイイのに」と断罪の
ゲームを連綿と続けて行くんである。
そして「クズな奴ら」の残酷極まりない
殺られっぷりを見て手を叩く私たち観客も
また同様。
こうした真っ当な正義感をカサに着たツルシ
アゲ行為は、今我々の現実世界でもウンザリ
するほど目にするものでもあったりする。
ヒトが浮気したからなんだっつうの。
災害時に酒飲んだから思いやりが足らんとか。
パワハラだとか。体罰だとか。
「デスゲーム」と、いかにもリアリティの
欠如した箱庭設定にありながら、
ジグソウというのはそんな現代社会の
世知辛い不寛容性が生み出したモンスターと
言えるんではないかと。

映画『悪魔の奴隷』~インドネシア死霊館

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原題 PENGABDI SETANイメージ 1
製作年度 2017年
製作国 インドネシア、韓国
製作 ラピ・フィルムズ
    CJ・エンターテインメント
公開 2018年2月22日
(2018未体験ゾーンの映画たち)
配給 ツイン
上映時間 107分

監督、脚本 ジョコ・アンワル
原案 シスウォロ・ゴータマ・プトラ
    イマム・タントウィ
製作総指揮 マイク・イム
    チョン・デスン
    スニル・サムタニ他
製作 ゴペ・T・サムタニ
撮影 イカル・タンジャン
音楽 ベムビ・ガスティ
    トニー・マール他
編集 アリフィン・キュウンク
美術 アラン・トリヤナ・セバスチャン
衣装 イザベル・パトリーチェ
特殊メイク ダルウィン・ツェー
出演
タラ・バスロ:リニ
エンディ・アルフィアン:トニーイメージ 2
ディマス・アディトヤ:ヘンドラ
ナサル・アニュス:ボンディ
M・アディヤト:イアン
ブロント・パララエ:父
アユ・ラクシュミ:母

鑑賞 2018年7月14日
DVD(発売元:ツイン)字幕
★★★★☆

むかしむかしビデオレンタル時代に
『夜霧のジョギジョギモンスター』という
パケを確かに目にした覚えがある。
さすがにこんな香ばしいタイトルを借りて
観るほどの勇気は当時の私には無かったが、
今ではインドネシアの最恐ホラーという
立ち位置になってるそうな。

さて本作はそのインドネシア最恐ホラーの
リメイク。
舞台は郊外に佇む一軒家。
主人公リニの母親はかつては売れっ子の
人気歌手だったが、今は病魔に侵され
寝たきり状態。
チリンチリン…!
何か用があると母親は枕元のベルを鳴らす。イメージ 3
ほら、呼んでるよ。
聞こえてるのに誰もすぐ腰を上げない。
イヤなのだ。そして面倒なのだ。
母親の印税が入らなくなって家計は火の車。
食べ盛りの弟が3人と喘息持ちのおばあさん、
そして甲斐性なしの父親。
誰もが口には出さないが母親の存在を負担に
感じ、そしてどこか畏れてもいた。
このままではこの家も抵当に取られてしまう。
そんなことを言ってるうちに
母はある日ポックリと逝ってしまう。
お葬式の後、真ん中の弟が墓場の真ん中で
立ち止まる。イメージ 4
最後の一人がお墓から40歩離れた時、
死者が蘇るのだと言う。
なにバカな迷信を信じてるの(笑)
まるで肩の荷でも下りたように、元の生活
へと戻って行く家族たち。
が、その夜。チリンチリン…!
2階の母の部屋からベルの音が聞こえて来る―

ここからどう「ジョギジョギモンスター」が
絡んで来るのかある意味不安になるが、
ご心配なく。そんなものは出ません。イメージ 5
至って優良な仕上がりのジェームズワン式
オカルトホラーです。
それでいてコレがかなり怖い。
ショック演出やムード醸成が非常に巧みで、
また東南アジア特有のじめっと纏わりつく
空気感がまた恐怖を倍増する。

インドネシアは世界最大のムスリム人口を
抱える国。なのでオカルトの方もベースは
当然イスラム教。
悪魔を畏れる人々は皆キリストに祈るのでは
なく、アッラーにひれ伏すのだ。イメージ 6
オリジナルの『ジョギジョギ』の方は
「アッラーを信じぬ者は地獄に落ちるんじゃ!」
というあからさまな教条主義を訴えていたら
しいが、このリメイクでは幾分ユルめ。
ただその分、一家を取りまく罰当たりぶりが
よりリアルに描き出されている。
寝たきりの母を疎んじ、またその死を屁とも
思わず自分達の快適な暮しを望む家族達。
大団円を迎えたかに見えても、
悪魔は去っていない。既に彼ら自身が
「悪魔の奴隷」となっているのだ。
障害者の末っ子が迎える末路もまた惨い。
なんとも容赦がない、そして胸糞が悪い。
無難なアジアンホラーの体でありながら、
あまりにドス黒い闇の世界にゲンナリ至極。

ハッキリ言ってこの監督タダ者ではないなと
思ったら案の定。
『ザ・レイド』のギャレス・エヴァンズや
『マカブル』のモー・ブラザースなど
このところ若き異才が席巻するインドネシア
映画だが、このジョコ・アンワル監督こそは
近年インドネシアのジャンル映画を牽引して
きた大先達らしい。
ただあまりにもその作風が尖り過ぎて、
日本にはなかなか公開ベースに乗せられなか
ったとか。
この際だからその尖った方を是非観てみたい
ものだが、この機会にリリースが進むことを
期待したい。

映画『ゆれる人魚』~初恋は生魚の味

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原題 CÓRKI DANCINGUイメージ 1
製作年度 2015年
製作国 ポーランド
製作 WFDiF
    プラティジ・イメージ
    テレヴィジャ・ポルスカ
公開 2018年2月10日
配給 コピアポア・フィルム
上映時間 92分

監督 アグネシュカ・スモチンスカ
脚本 ロベルト・ボレスト
製作総指揮 アグネシュカ・ベドコウスカ
製作 ヴロドズィミェス・ニデルハウス
撮影 ヤクブ・キジョフスキ
音楽 バルバラ・ヴロンスカ
    ズザンナ・ヴロンスカ他
編集 ヤロスラヴ・カミンスキ
美術 グルズェゴルズ・オルコフスキ
衣装 カタルズィナ・レヴィンスカ
視覚効果 マルチン・シャルリッキ
出演
マルタ・マズルカ:シルバー
ミハリナ・オルシャンスカ:ゴールデン
キンガ・プレイス:クリシア
アンジェイ・コノプカ:ドラマー
ヤクブ・ギェルシャウ:ミエテクイメージ 2
ジグムント・マラノウィッツ:支配人
マルチン・コワルチェク:トリトン

鑑賞 2018年7月18日
DVD(発売元:ハピネット)字幕
★★★★☆

「人魚姫」ベースのホラーミュージカル。
それでもってポーランド映画。
ヘンな映画なんだろうなあと思ってたら
やっぱりすごくヘンな映画だった。
そして面白かった♪

舞台は多分80年代のワルシャワ。

♪私たちを岸に上げて
 怖がることはないわ
 あなたを食べたりなんか
 決してしない~からあ~♪

バカな男をパクっと頂いた人魚の姉妹は
街のナイトクラブに上がり込み、
そこで歌い子として雇われることになる。
清楚でピュアな魅力の姉シルバーと、
クール&ワイルドがウリの妹ゴールデン。
人魚だから歌が上手いのはお約束。
普段は人間の姿だが、水を掛ければ下半身がイメージ 3
魚になるというビックリショー的演出も
あってたちまち大人気に。
クラブは連日盛況、芸能プロダクション
からもお呼びがかかる。
ただ人魚たちにとってこの場所は単なる
踏み台に過ぎなかった。
ここで金を稼ぎ、男を食らい、
力を蓄えてからアメリカへ渡ろうとしていた。
-のはずだったが、シルバーがイケメンの
バンドマンにあらぬ感情を抱いてしまい-

アンデルセン童話でおなじみ「人魚姫」は
人間との恋愛はご法度。
恋に破れた人魚は海の泡になってしまうんイメージ 4

である。
「そんなの迷信よ」と、ひたすら
イケメンへの愛を貫こうとする姉と、
そんな姉の行く末を案じながらも
「渇き」に抗えず街の男を貪り食う妹。
姉妹二人の対照的な姿が描かれる中で、
その間にある一人のオバはんシンガーの
存在がなんとも恣意的だ。
「あたしの身内なのよ。」
人魚姉妹を拾ったオバはんが初めに言う
のだが、決してデマカセの類いではない。
鬱屈された本能と、理想に向けて己を律
して行こうとする理性。
「男なんか。」
エサに過ぎないと思っていたのに、
結局はバカな男に身を捧げてしまっている
自分への嫌悪と憐み。
そんな相反する想いが奇妙な姿の姉妹として
現れたのだと解釈することができる。

聞けばその昔、東欧圏にはダンシングクラブ
なるものがところどころにあったとか。
共産主義の統制下にあった人々がポップス
やストリップショー等に興じる、
西側の文化への憧れを形にしたような施設で
あったらしい。
本作のどこか懐かしげなエレクトロサウンド
をフィーチャーしたヴロンスカ姉妹はイメージ 5
ミュージシャンの家庭に生まれ、そんな
ダンシングクラブの楽屋裏で育ったという。
恐らくは彼女たちの自伝的な要素を多分に
含んだお話なのかと思われ。
ポーランドのインディーズではありながら、
今では世界中でかなり注目をされているん
だそうな。(自分は知らんかったけど)
アメリカに渡らず、自国で自分たちなりの
音楽活動を続けてきた経緯に想像を馳せつつ
「あの時代」の音に聴き入るのもまた一興。

映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』~限りなく人間に近いブルー

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原題 JURASSIC WORLD : FALLEN KINGDOMイメージ 1
製作年度 2018年
製作国 アメリカ
製作 ユニヴァーサル・ピクチャーズ
    アンブリン・エンターテインメント
    レジェンダリー・エンターテインメント
    パーフェクト・ワールド・ピクチャーズ
製作費 $170,000,000
配給 東宝東和 
公開 2018年7月13日
上映時間 128分

監督 J・A・バヨーナ
脚本 デレク・コノリー
    コリン・トレヴォロウ
原案 マイケル・クライトン
製作総指揮 スティーヴン・スピルバーグ
    コリン・トレヴォロウ
製作 ベレン・アティエンザ
    パトリック・クロウリー
    フランク・マーシャル
撮影 オスカル・ファウラ
音楽 マイケル・ジアッキーノ
編集 ベルナト・ヴィラプラナ
美術 アンディ・ニコルソン
配役 ニナ・ゴールド
衣装 サミー・シェルドン・ディファ―イメージ 2
出演
クリス・プラット:オーウェン
ブライス・ダラス・ハワード:クレア
レイフ・スポール:ミルズ
ジャスティス・スミス:フランクリン
ダニエラ・ピネーダ:ジア
ジェイムズ・クロムウェル:ロックウッド
トビー・ジョーンズ:エヴァソル
テッド・レヴィン:ウィートリー
イザベラ・サーモン:メイジー
ジュラルディン・チャプリン:アイリス
BD・ウォン:ドクター・ウー
ジェフ・ゴールドブラム:マルコム

鑑賞 2018年7月26日
仙台東宝シネマズ(IMAX-3D)字幕
★★★★★

このところ妙に忙しいのだけど、
前回『ジュラシック・ワールド』をスルー
してしまってえらく悔しい思いをしたので、
取るものも取りあえず劇場へ。

面白かったなあ。
まず例によって賛否諸々のようだけども、
恐竜好きとしてはおなか一杯の大満足。
いつもおなじみのレギュラー陣や
初登場の恐竜たちも去ることながら、イメージ 3
新型ハイブリッド「インドラプトル」も
めちゃくちゃカッコよかった。
大噴火を起こしたイスラ・ヌブラル島から
恐竜たちを救い出せ!
ものすごい数の、そして様々な種類の
恐竜達と共に島の斜面を駆け降りる中盤で
テンションは既にMAX状態。
正直トレイラーで見た時はこのシーンが
クライマックスと思っていたのだけど、
実は中盤の山場だったんで驚いた。
島を離れる刹那、噴煙立ち込める岸辺に
佇むブラキオサウルスに思わず涙。

さよならパーク。
そうなのだ。この作品、活火山と化した
恐竜島でのアドベンチャーは途中まで。
そこから舞台はアメリカへ。火事場泥棒的
に恐竜を攫ってはボロ儲けを企む悪党共との
奪還劇へと雪崩れ込んで行く。
この大胆な「2部構成」はあの第2作
『ロストワールド』をつい思い出してしまうが、
えらく蛇足館の強かったあちらとは違い
今回は1部、2部共に見応えたっぷり。
なんとも贅沢な2本立てと言った感じなのだが、
ちょっと勿体なかったような気もする。
島での様々な恐竜との出会いやら、
噴火が始まってからのパニック模様をもっと
たくさん見せてくれても良かったのになと。
どうせならハナから2部作にして、
ブラキオサウルスのシーンで「次回へ続く!」イメージ 4
としてしまっても良かったんじゃないだろか。

前作で新星の如くに現れた「ワールド」の
立役者コリン・トレヴォロウに代わり、
今作でメガホンを執ったのは
『永遠のこどもたち』や『インポッシブル』
のP・J・バヨーナ。
従来の作品とは打って変わってのメジャー
タイトルだが、その実このリブートの企画
当初からオファーが来ていたものらしい。
在りし日のスピルバーグ映画の無邪気な
楽しさを今風のセンシティヴな感性で
開園直後のアミューズメントパークに投影
して見せた前作のトレヴォロウに比べ、
今回のバヨーナはまさに王道至極。
第1部のド迫力のスペクタクルは
『インポッシブル』でのリアルな
ディザスター描写が評価されたバヨーナが
その手腕を遺憾なく発揮した成果であろうし、
第2部に至っては更にその本領が全開。
古風な屋敷を舞台にした閉塞空間に由緒正しい
「スパニッシュ」の系譜を感じると共に、
記念すべき第1作の厨房シーンを思い出す。
そして前出のブラキオサウルスの件のように、
観客の感情を激しく喚起させる豊かな演出ぶり
こそがこの監督の持ち味であろうかと。
ギレルモ・デル・トロに見出された「逸材」イメージ 5
ではあるけども、その作風は師デルトロよりも
むしろスピルバーグに近い。
スピさん自身もバヨーナを評し「昔のオレ」と
語ったとか。そして現在43歳のバヨーナも
かつてのエンタメ王には並々ならぬリスペクト
を抱いていることでしょう。
ブルーを追ってひた走るクリス・プラットが
段々インディ・ジョーンズに見えてきたのは
決して気のせいではないはずだ。
「ブルー」の愛すべき萌えっぷりについては
完璧に確信犯。醜いバケモノに擬人化を施し
愛着を強いるあざとさはスピルバーグ映画の
真骨頂だ。
ここが不満と言えば不満。1作目の、
理屈も情けも一切通じないラプトルの恐ろしさ、
Tレックスの問答無用な暴虐ぶりを思うにつけ、
「大丈夫。こいつは大人しいから」とか
言われちゃうラプトルや、
「悪いやつは食う。イイやつは許す」
なんだか大岡越前みたいなTレックスの裁きぶり
に違和感を感じざるを得ない。

また賛否両論を呼んでいるラストについても、
自分も正直ブッ飛び過ぎかと思わないでもない。
唯。マルコム博士が言うように、
テクノロジーの発達が思いもしない形で
人間に影響を及ぼすことがある。
自然に対して与えた人為の力に自然が反応をしイメージ 6
修復を図り、また反発をすることがある。
例えばアレルギーや病原菌の猛威。
このところのキツすぎる暑さなんかも、
人間がこれまで地球にしてきたことと関係がない
と果たして言い切れるのか。
テクノロジーの力を人類は制御しきれていない。
それは原作者のマイケル・クライトンが一貫して
訴えてきた「ホントの怖い話」である。

ただやっぱり海に遊びに行ってモサザウルスがイメージ 7
いたりしたら、すごくイヤだなあ。


因みに。
トレヴォロウが再びメガホンを執る『3』では
今回解き放たれたバイオの恐竜たちが
やがて知恵を付け、地球上を占拠していく
『猿の惑星』的なオハナシになると予想。
そしてあの愛すべきブルーさんが「シーザー」に
相当する役割を担うんではないかと。

映画『CARGO / カーゴ』~おんぶカゴ・オブ・ザ・デッド

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原題 CARGOイメージ 1
製作年度 2017年
製作国 オーストラリア
製作 アディクティヴ・ピクチャーズ
    コーズウェイ・フィルムズ
    ホワイトホット・プロダクションズ他
公開 2018年5月18日
配給 ネットフリックス
上映時間 105分

監督 ベン・ハウリング 
監督・脚本 ヨランダ・ラムケ
製作総指揮 イアン・ドーソン
    クレイグ・ディーカー
    ザック・ブリリアント他
製作 ラッセル・アッカーマン
    クリスティナ・クレイトン
    サマンサ・ジェニングス他
撮影 ジェフリー・シンプソン
音楽 アンドリュー・コタッコ
    ダン・パーム
編集 ダニー・クーパー
    ショーン・ラヒーフ
美術 ジョセフィーヌ・フォード
配役 ニッキ・バレット
    ジョン・マクアレアリー
衣装 ヘザー・ウォーレス
出演イメージ 2
マーティン・フリーマン:アンディ
アンソニー・ヘイズ:ヴィク
スージー・ポーター:ケイ
カレン・ピストリアス:ロレーン
クリス・マクエイド:エッタ
シモーヌ・ランダース:トゥミ
リリー・マクファーソン=ドビンズ:ロージー
マリー・マクファーソン=ドビンズ:ロージー
フィンレイ・ショーバーグ:ロージー
ノヴァ・ショーバーグ:ロージー

鑑賞 2018年7月30日
ネット配信(ネットフリックス)字幕
★★★☆☆

数年前に「えらく泣ける」と話題になった
ゾンビのショートフィルムが、
例によっての長編映画化。
当初はキックスターターなんかで
資金集めに奔走していたようだけども、
結局は例によってのネットフリックス・
コンテンツに収まった模様。

路肩に立ち往生を食らった車の中。
目が覚めたら、隣の妻はゾンビになっていた。
後部シートで赤ん坊が泣いている。
男は妻に別れを告げるが、イメージ 3
その際に自分も傷を負ってしまう。
赤ん坊を背負い荒野の中を歩き始める男。
どこか、この子を安全な場所へ。
自分がまだ、変り果ててしまわないうちに-

子供が絡むお話には殊更弱い自分。
ショートフィルムの時もえらく泣かされて
しまったのだけど、今回は長編、更には
お父さん役がマーティン・フリーマン。
相当の涙を搾り取られて熱中症になっては
いかんと、2Lサイズのスポーツドリンク
を抱えて鑑賞に臨んだのだけど。

所謂「深イイ」系のゾンビ映画。
『コリン』や『マギー』、
『ベルリン・オブ・ザ・デッド』、
『スウィング・オブ・ザ・デッド』等々
壮大な黙示録や世知辛いサバイバルなんかは
さて置いて、ミニマルな終末世界の中で
人間同士の「繋がり」を改めて問いかける。
ゾンビコメディの基本フォーマットでも
あるわけだけど、こちらは至って真面目。
終始淡々と、そして繊細なタッチで
我が子を愛おしむ親の姿を追う。
どことなく頼りなさげで、
そしていまいち融通の利かなそうな父親役
をマーティン・フリーマンが好演。
ひとえに娘の行く末を案じ、苦悩する姿にイメージ 4
否応もなく涙が滲む。
ラストはやっぱり涙腺崩壊。
見事、2Lのペットボトルが空になった。
(中房か)ベタ中のベタな役どころながら、
流石はエミー賞俳優の破壊力を思い知る。

ただやっぱり。短編の長編映画化に
よくありがちなパターンなのだけど、
「元の短編がベスト」なんである。
特に本作の場合は7分に過ぎない
ショートフィルムの時点で既に完成品だった
わけで、そこから109分に仕立て上げた
長編が単に「引き延ばした」だけの印象に
なってしまう。
オーストラリアの作り手ということで
「アボリジニ」というご当地要素を入れて
来た辺りも世界観の作り込みとして悪くは
ないが、どこか取ってつけた感が拭えず、
「子に対する親の想い」という
本来のピュアなテーマがブレてしまった。
マーティン・フリーマンの力演ですら、
「有名な俳優で長編化してガッポリ稼いじゃ
おう」的な商売臭を感じてしまう。
恐らくは元のショートフィルムを観ていな
ければ「よく出来たゾンビドラマ」と
言ったところだろうが、
如何せん元ネタが良すぎただけに無駄な
長編化であったと言わざるを得ない。

まずは短編の方を未見であればこちら
観てみることをオススメ。
7分で号泣です。いや真面目に。


映画『RAW~少女のめざめ』~可愛さ余って旨さ百倍

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原題 RAWイメージ 1
製作年度 2016年
製作国 フランス、ベルギー、イタリア
製作 プティ・フィルム
    ワイルドバンチ
    ルージュ・インターナショナル他
製作費 €3,500,000
配給 パルコ
公開 2018年2月2日
上映時間 99分

監督、脚本 ジュリア・デュクルノー
製作 ジャン・デ・フォーレ
撮影 ルーベン・インペンス
音楽 ジム・ウィリアムス
編集 ジャン=クリストフ・ブズィ
美術 ローリー・コルソン
配役 ジュディス・シャリエ
    クリストフ・エルモン
衣装 エリーズ・アンション
出演
ギャランス・マリリエ:ジュスティーヌ
エラ・ルンプフ:アレクシア
ラバ・ネイ・ウフェラ:アドリアン
ローラン・リュカ:パパ
ジョアナ・プレース:ママ

鑑賞 2018年7月31日、8月3日イメージ 2
Blu-ray(発売元:NBCユニバーサル・エンターテインメント・ジャパン)字幕
★★★★★

厳格なベジタリアンの家庭に育った
ジュスティーヌは全寮制の獣医大に入学をする。
そこは両親が出会った母校であり、
姉のアレクシアもまた在学をしていた。
入寮早々夜中に叩き起こされかと思えば
マットレスを外に投げ捨てられ、
乱痴気パーティで夜通し酒を飲まされる。
パーティ会場で再会した姉は、家で一緒に
暮らしていた頃の姉ではなくなっていた。
派手に着飾って、色気むき出しな大人の女に
なっていた。
ハードコアな新人歓迎の日々の中、
ジュスティーヌの前に一粒の肉塊が差し出される。
「ウサギの腎臓だよ。喰え」
当然ジュスティーヌは拒否するが、
そこに居合わせた姉に
「あたしも1年の時に食べたんだ。食べな」
ほぼ強制的にそれを口にしてしまう。
耐え難い吐き気を抑えながら自室へと戻る。
と、その晩から。ジュスティーヌの身体に
恐るべき異変が起こり始める-

「失神者続出」のフレコミで話題になったイメージ 3
おフランスのカニバルホラー。
フランスのホラーと言うとひと頃は
『ハイテンション』や『屋敷女』など
まるで遠慮のない血みどろスプラッタで
世を席巻したものだけども、
そういうイメージで「失神者続出」に
期待をすると肩透かしを食らうかも。
恐らく失神者が出たと思われるのは中盤の
とあるシーン。
少女が「ちょ、それを喰うか?」というもの
を食べてしまうクダリ。
確かに衝撃と言えば衝撃なのだけど、
それと同時に不思議な高揚感があって、
思わずヘンな笑いがこみ上げて来たりする。
音楽のセンス、そして絵のツクリコミが
いちいち素晴らしい。
さり気なく放り込まれたキメ画の数々に
思わず息を飲むことしばしば。
観る人によっては「全然ホラーじゃない」
そんな声が上がるのも分かる気がする。

主演のギャランス・マリリエは本作が
長編デビューだそうだけども、
パッと見は佐々木希みたいな
ポワンとしたカワイイ系なのに、
そこから肉食ジョシならぬ食人ジョシにイメージ 4
変貌を遂げるギャップが物凄い。
聞けばベジタリアンでもなんでもなく、
クローネンバーグとデヴィッド・リンチが
フェイバリットというから畏れ入る。
(※佐々木希さんの方もその昔は秋田の
ヤンキーだったそうだけども)

監督のジュリア・デュクルノー曰く
「女の子が女へと変わって行く様を描いた」
ものだとか。
同様のテーマではデ・パルマの『キャリー』やイメージ 5
ニール・ジョーダンの『狼の血族』を
思い出すが、同性ならではのアケスケな生々
しさや底意地の悪さが効いていて面白い。
また単なる少女の成長譚には留まらず、
姉や家族との関係を通して「食べる」こと、
「他の生命を奪って生きること」、
ひいては「人を愛すること」、
「愛する人のために身を捧げること」
そんな辺りまで思いを巡らせてしまう奥深さ。イメージ 6
衝撃の顛末はある程度予想がつくものだが、
その後に2度、3度と鑑賞を重ねる毎に
あの時の父の態度、母の仕草、姉の立ちション、
妹の鼻毛と犬の行動。それぞれ初見時には
分からなかった意味が見つかって面白い。
やや観る人を選ぶ類の作品ではあるけども、
ちょっとでもツボに入った人は是非とも
リピートでの鑑賞をオススメしたい。

にしても、昨今のホラーシーンにおける
女性監督の活躍は目覚ましいことこの上ない。イメージ 7
『ババドック』のジェニファー・ケントに
『インビテーション』のカリン・クサマ、
『ザ・ヴァンパイア~残酷な牙を持つ少女』
のアナ・リリー・アマポアー
『グッドナイト・マミー』のヴェロニカ・
フランツ(共同監督)等、毎年その時期を
象徴するような作品が女性によって作られて
いるのは、それだけに女性の訴える切実な
「恐怖」が世にフィットして来ていることの
表われではないだろか。
先日観た『ゆれる人魚』もえらくヘンで
面白かったし、近日公開の『リベンジ』も
レイプリベンジの常識を覆す快作になってイメージ 8
いるとか。

(余談)
昔、実話漫画かなんかの類いで、
道端でお婆さんが片手に買い物袋を提げて、
もう片手で着物の裾をたくし上げて
見事に立小便をしていたという話を
読んだことがある。
女性にチ〇コはないから小便がそのまま
両脚に垂れるのが常識と思っていたが、
例えば大人になって括約筋が鍛えられれば
そんな芸当も可能になると言うことだろうか。
要は羞恥心の問題なんだろうかとか…
まあ、どうでもいいことなんですが。すみません。

映画『屋敷女』~バカとハサミは使いよう

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原題 À L'INTÈRIEURイメージ 1
製作年度 2007年
製作国 フランス
製作 ラ・ファブリーク・ド・フィルムズ
    BR・フィルムズ
    キャナル・プリュ他
製作費 $3,000,000
公開 2008年6月21日
配給 トルネード・フィルム
上映時間 82分

監督、脚本 ジュリアン・モーリー
    アレクサンドル・バスティロ 
製作総指揮 プリシラ・ベルタン
製作 ヴェラーヌ・フレディアニ
    フランク・リビエール他
撮影 ローラン・バレ
音楽 フランソワ・ウード
編集 バクスター
美術 マルク・ティエボルト
配役 リヴ・シャルパンティエ
    パスカル・パディ
衣装 マルタン・ラパン
特殊メイク ジャック=オリヴィエ・モロン
出演
アリソン・パラディ:サラ
フランソワ=レジ・マルシャソン:ジャン=ピエール
ナタリー・ルーセル:ルイーズイメージ 2
ジャン=バプティスト・タブラン:マテュー
ニコラ・デュヴォシェル:警官3
エマン・サイディ:アブドゥル
ベアトリス・ダル:女

再鑑賞 2018年8月4日
DVD(発売元:キングレコード)字幕
★★★★☆

フランスのホラーと言えばかつては
キリキリと胃の痛くなるような残酷描写で
世の鬼畜さん達をヒーヒー言わせたもんだが、
今となってはそのブームも去ってしまい、
その担い手達もすっかりハリウッドの
下請けに成り下がってしまった感。
その最たる例が本作でデビューを飾った
2人組、モーリー&バスティロである。

『屋敷女』
最初観た時は衝撃だったなあ。
「えー!!こんなことやっちゃうの??」
鑑賞後3日ぐらいは頭にぼーっと
カスミみたいのが掛かってた覚えがある。
もっともその衝撃度は翌年の『マーターズ』
で年度更新をされてしまうわけだが、
とにもかくにも妊婦と赤ん坊、
それから可愛いにゃんこには手を出さないと
いうホラー映画の暗黙の了解をあっさり
踏み越えて来たこの映画の登場は、
「フランスはんぱないって!」を印象付ける
に十分すぎる程のインパクトであった。イメージ 3
先行したアジャの『ハイテンション』、
更に遡る『ベイビー・ブラッド』の辺りから
頭のてっぺんから足のつま先まで真っ赤っか
という「フレンチゴア」の流儀は
ツトに知られたところではあったけども、
そこにトドメをさすかのような血の噴出量、
そして流血描写におけるボキャブラリーの
豊富さがとにかく圧巻だった。
それでいてタブー犯せば万事オッケー!
とでも言ったクズ映画では決してなく、
いかにも評論畑上がりなサンプリングの
センスの良さ、構成の巧みさ、そして
ファン気質の濃厚なサービス精神に溢れた、
所謂「よく出来た」ホラーでもあった。

この調子であと1、2本キョーレツなのを
撮っていれば確実に「残る」作り手に
なってたかと思うのだけど、
「オレらゴアゴアばっかじゃないもんね」
と早々に余計な色気を出してしまい、
ゴシック風の雰囲気映画『リヴィッド』に
ナードな少年時代を『スタンド・バイ・ミー』
宜しくノスタルジーたっぷりに描いた
『恐怖の白魔人』と、狙いは悪くないのだけ
どどれも今ひとつ物足りない出来栄え。
思うにコンビのどっちか、もしくは両方がバカ
なんじゃないかと。ジャンル映画に対してのイメージ 4
ウンチクや思い入れはそれなりに持ち合わせて
るんだろうけども、その中で描かれる情念や
主張の類いがとにかくペラい。
妙に小手先勝負でノリ重視なのだ。
結局『ハロウィン』やら『ヘルレイザー』やら
使い古しのリメイク企画をタライ回しにされた
挙句、平凡極まりない『レザーフェイス』を
撮るに至ったのはご周知の通り。

フレンチホラーもすっかり終わったか
…と思いきや、先日の『RAW』で
しっかりアップデートされたフレンチホラーを
目の当たりにして嬉しくなってしまった。
今月公開の『リベンジ』もなにやら凄そうだし、
『フロンティア』のザヴィエ・ジャンの
新作『コールド・スキン』が公開間近、
プロデュース作の『HOSTILE』もフランス版
『シェイプ・オブ・ウォーター』と評される
クリーチャー映画だとか。
更にはパスカル・ロジェの実に6年ぶりの
新作"GHOSTLAND"が遂に完成。
また『ピラニア3D』で燃え尽きちゃって
「スプラッタ引退」を宣言していた
アレクサンドル・アジャがワニホラー!を
手掛けると言う報が飛び込んできた。
もしかするとと言うかもしかしなくとも、
今年はおフランスがアツいか!?

映画『変態村』~好きにならずにいられない

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原題 CALVAIREイメージ 1
製作年度 2004年
製作国 ベルギー、フランス、ルクセンブルク
製作 ラ・パルティ・プロダクションズ
    タランチュラ
    スタジオ・キャナル他
配給 トルネード・フィルム
公開 2006年3月18日
上映時間 88分

監督、脚本 ファブリス・ドゥ・ヴェルツ 
脚本 ロマン・プロタ
製作 ミカエル・ジェンティル
    エディ・ジェラドン=デュイクス
    ヴァンサン・タヴィエ他
撮影 ブノワ・ドビエ
音楽 ヴァンサン・カエイ
編集 サビーヌ・ユボー
美術 マヌ・ド・ムルメステル
衣装 ジュラルダン・ピクロン
出演
ローラン・リュカ:マルク
ジャッキー・ベロワイエ:バルテル
フィリップ・ナオン:ロベール
ジャン=リュック・クシャール:ボリス
ブリジット・ラーエ:ヴィッキー夫人
ジジ・クルーシニ:ラングホフ夫人イメージ 2

鑑賞 2018年8月7日
DVD(発売元:キングレコード)字幕
★★★☆☆

それこそフレンチスプラッタが物議を醸し
ていた頃に「コレもなかなかエグい!」と
評判を耳にしてはいたものの、
どうも手に取る気になれなかった一本。
だって変態村ですよ。変態村。
大概は開き直り型のクズ映画か、
えらく難解なマスターベーションの類い
だろうと敬遠しておったのだけども。
でも、今年のオレ様は違うのだ。
そのうち観よう、このまま観ないで死んだら
後悔すると思っていた作品に、出来るだけ
手を出そうと決めていたのだ。

果たして観てみたらば。
確かに取っつきづらさはあるものの、
全然クズなクオリティではないし
さほど独りよがりな内容でもない。
多分にジャンルのお約束やオマージュを
汲み入れた、マニア気質の「ホラー」とイメージ 3
言えるんじゃないかと。
そしてエグいと言えば確かにエグいのだけど、
フレンチ鬼畜のそれとはまるで違っていて、
どちらかと言えばデヴィッド・リンチのような
気持ちの悪さ。
邦題についてはクズな配給会社が
とにかく目に付けばイイ!程度のノリで
付けてしまったのは想像に難くないが、
変態と言うよりは「狂気」の方がしっくりくる
アブノーマル世界でありました。

主人公はマルクという巡業歌手。
オンボロのバンに乗って田舎町を渡り歩き、
老人ホームなんかで地元のジジババ相手に
クソダサいラブソングを歌って聞かせてる。イメージ 4
こんなんでも田舎じゃかなりな人気者。
「ずっとこの街にいて頂戴」なんて
介護員のオバハンに涙ながらに訴えられたり
「お迎えが来る前に抱いとくれ!」とか
ばーさんに迫られちゃったりする。
でも、去らなきゃいけない。
なんたってオレはアーティストなんだから。
さて次なる舞台はパリ。
花の都でクリスマスショーを演るのだ。
気合を入れて車を走らせるが、
山道の途中で車がエンコをしてしまう。
途方に暮れていると一人の若者が通りかかる。
「僕の犬を見なかった?」イメージ 5
知らねーよ。つか、近くに住んでるんなら
どこか宿を紹介してくれないか。
えらく挙動不審なのが気になりつつも、
若者に案内されてとある村に辿り着くが-

見知らぬ田舎町に迷い込んだら住民が
オールキ印というのは『2000人の狂人』に
代表されるヒルビリーホラーの典型だが、
特に色濃く影響を及ぼしたのはなんと言っても
『悪魔のいけにえ』であろうかと。
『サイコ』や『地獄のモーテル』辺りからイメージ 6
アイディアを拝借したような箇所もあり、
村全体がなにかに「憑かれた」ような空気は
『ウィッカーマン』に通じるものがある。
ファブリス・ドゥ・ヴェルツなる
若きベルギー人がこれらクラシックな
ド田舎ホラーを志向したのは明白だが、
こうした作品がとにかくイヤなところは
「どいつもこいつもナニ言ってるか分からない」
ところである。
ガチでキ印なのか、或いは土地柄の違いなのか
判然としないままずんずん孤立を深めて行く。イメージ 7
この絶体アウェーの状況下で意味の分からない
敵意や殺意に晒されるのが怖いわけだが、
本作の場合はそこが「愛」であったりする。
村の人は自分に対して並々ならぬ好意や愛情を
向けるのだが、それが相手の気持ちや身の上を
全く顧みない一方的なもの。
それどころかマルクの性別も人間性も、
いや人間であるかすら理解していないままに
愛し、犯し、束縛し、挙句の果てには奪い合い
を始めるに至る。

そしてなんとも不思議なことに、イメージ 8
観ているうちに気の毒な主人公よりも
無軌道な愛に狂う村人たちの方に共感を覚えて
しまう。
もしかするとこの素朴な人達は、元々は
「変態」なんかじゃなかったんじゃないだろか。
「愛」なんて薄っぺらな言葉で彼らを惑わす
アーティスト(ペテン師、もしくは淫売とも)
がこの地を訪れるまでは、心穏やかな暮らしを
送っていたのでは。
鬱蒼とした夜の森を逃げ惑った果てに、
マルクが目にした磔の遺体。
原題の"CALVAIRE"は訳せば「受難」の意。
「ゴルゴダの丘」とやらで
誰かさんが遭った「受難」というのは、
要はこういうことだったんじゃないの?
「愛してる」と口にするのは容易いけども、
得体の知れない隣人の愛を真っ向から受け
入れるのは本当に骨の折れることなんだと。
DVDオマケ収録の「ワンダフル・ラヴ」と
併せて観てみると、同監督のブレない愛の
メッセージがより明確に読み取れる。

にしても、主人公のマルクがなんか見たこと
あるなとずっと思ってたら、ついこないだ
観た『RAW』の気の毒なパパンだった。
なるほど!
ジュリア・デュクルノーは絶対これを観て
キャスティングしたんだろなと、
思わずほくそ笑んだ夏の夕暮れ。

映画『カメラを止めるな!』~死体で遊べよこどもたち

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英題 ONE CUT OF THE DEADイメージ 1
製作年度 2017年
製作国 日本
製作 ENBUゼミナール
    PANPOKOPINA
製作費 \3,000,000
配給 ENBUゼミナール
    アスミック・エース
公開 2017年11月4日(先行公開)
上映時間 96分

監督、脚本、編集 上田 慎一郎 
製作 市橋 浩治
製作補 児玉 健太郎
    牟田 浩二
撮影 曽根 剛
音楽 永井 カイル
録音 古茂田 耕吉 
特殊メイク 下畑 和秀
衣装 ふくだ みゆき
出演
濱津 隆之:日暮監督
真魚:日暮真央
しゅはま はるみ:日暮晴美
秋山 ゆずき:主演女優
長屋 和彰:主演男優
細井 学:カメラマン役イメージ 2
市原 洋:助監督役
山崎 俊太郎:録音マン役
大沢 真一郎:ラインプロデューサー
竹原 芳子:TVプロデューサー
吉田 美紀:AD(おばちゃん)
合田 純奈:AD(新米)
浅森 咲希奈:カメラアシスタント
山口 友和:カメラマン

鑑賞 2018年8月15日
チネ・ラヴィータ
★★★★★

正直ハナシの種に観ておくか程度のつもりだ
ったのだけど、いざ行こうと思ったら
なかなか席の予約が取れなくて驚いた。
聞けば東京だと入場券を求める人が行列を
作って、ネットで転売する輩も出てるとか。
ヨメとかノミ友達とかバイト先の同僚とか、
普段映画の話なんかしないような人も
「カメとめとかって、面白そうだよね」とか
普通に言ってる。
え。もしかして「現象」的なやつですか?イメージ 3
『君の名は』とか『アナ雪』みたいな。

……。でもこれ、自主映画だよね?要は。

予告を見た限りではあからさまにお金が
かかってなさそうで、また低予算な邦画の
自己満というか諦めのような雰囲気もあり。
面白そうな予感が全然してこない。
またどこかの一部メディアが大袈裟に騒ぎ立
ててるだけなんじゃないかとか、すっかり
天邪鬼モードで劇場に向かったのだけど。

まずは平謝りです。すみませんでした。
邦画と言うとすぐこうやってナメてかかるイメージ 4
のが自分の悪いクセである。
なんぼよく出来てるとは言え
所詮はメイド・イン・ジャパン。
世界市場を相手にして、
しっかり金も時間もかけて作られた
「ホンマもん」のエンターテインメントに
敵うワケがないじゃないのと、
ハナから決めつけてしまっていたわけで。

そんな自分にガツン!と強烈な肘打ちを
食らわしてきたのがイメージ 6
一昨年の『アイアムアヒーロー』だった。
こんな立派なゾンビ映画がニッポンで
作られてしまったということに、
驚き通り越して涙がボロボロ出た。
そして『アイアム~』は世界中の
とこに持って行っても大威張りの出来る
王道至極のゾンビ映画であったが、
今度は『ショーン・オブ・ザ・デッド』にも
負けないくらいに面白くて可愛らしい
ゾンビコメディが出来上がってしまった。イメージ 5

とにかく金も時間もなくて縛りだらけで、
自分達の思い通りの映画なんかそうそう
作り得ないことぐらい、この映画の作り手
たちは重々自覚をしてるわけで。
だからと言って
「こんな程度しか出来ないんだ」とか諦めず、
それでも本当に面白い映画は作れないか。
日本人も外人も子供もお年寄りも、
そこらの一般客層もウルサ型の映画マニアも
まるっとうん。と言わせる映画を作ることは
出来るはずじゃないか。
そこのところをこの若い作り手たちは信じ
切って、見事にやりきったのだと思う。

絶賛公開中ということもあり、
なるべく予備知識を入れない方が楽しめる
類いの映画かと思うので、これ以上内容に
ついては語りますまい。
ただ、「DVDでいいや。」とか
思ってるんならそれは絶対に間違いだと、
即座に時間を作って劇場へ足を運ぶべきと
言っておく。
満杯の映画館で映画好きな人々が共有する
あの心地よい一体感は、近年じゃなかなか
味わえないもんじゃないかと思うぞ

それにしても。Tシャツ欲しい…

映画『海底47m』~夏の終わりにサメ映画

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原題 47 METERS DOWNイメージ 1
製作年度 2017年
製作国 イギリス、アメリカ、ドミニカ
製作 ザ・フィズ・ファシリティ
    ティーショップ&フィルム・カンパニー
    エンターテインメント・スタジオズ・モーション・ピクチャーズ
製作費 $5,500,000
公開 2017年8月12日
配給 ギャガ+
上映時間 89分

監督、脚本 ヨハネス・ロバーツ 
脚本 アーネスト・リーラ
製作総指揮 ハーヴェイ・ワインスタイン
    ボブ・ワインスタイン
    マーク・ボード他
製作 ジェームズ・ハリス
    マーク・レーン
撮影 マーク・シルク
音楽 トムアンドアンディ
編集 マーティン・ブリンクラー
美術 デヴィッド・ブライアン
配役 コリン・ジョーンズ
衣装 エレノア・ベイカー
出演
マンディ・ムーア:リサイメージ 2
クレア・ホルト:ケイト
クリス・ジョンソン:ハビエル
ヤニ・ゲールマン:ルイス
サンティアゴ・セグーラ:ベンジャミン
マシュー・モディーン:テイラー船長

鑑賞 2018年8月18日
Blu-ray(発売元:ギャガ+)字幕
★★★☆☆

昨年の夏に一躍スマッシュヒットを放った
サメ映画。
サメ映画というと最近は開き直ったかの
ようなバカ映画が多いが、こちらはガチの
正統パニック路線。
一昨年の『ロスト・バケーション』にも
匹敵とか言われていたので結構期待してた
んだけども。

バカンスでメキシコの海岸リゾートに
やって来た姉妹リサとケイト。
無邪気にエンジョイをするケイトの横で
リサはなにやら塞ぎがち。
聞けば最近カレシにフラれてしまったとか。
「退屈な女だって、愛想を尽かされたの。
もうダメ。あたし立ち直れない…」イメージ 3
よよよと泣きじゃくるリサを連れ、
ケイトは夜のクラブへ繰り出す。
酒とクスリとイケメンと。
あっさり機嫌を戻したリサに、
地元のイケメンがある「特別な」
アトラクションを持ちかける。

"シャークケージダイビング"

2M四方ほどの檻の中に入り、それをサメが
うようよしてる海の中にブラ下げるという、
なんだか若手芸人がやらされるような企画。
やだやだそんなの!ぜったいムリ!!
当然拒否りまくるリサであったが、
「また退屈な女とか言われてもいいの?」
クレアの一言に負けて参加を決めてしまう。
果たして現地に行ってみれば
粗末な小舟にウサン臭い船長、
そしてボロボロに錆びついた檻。
思わず凍りつく姉妹であったが、
「大丈夫、僕らを信じて。
きっと忘れられない経験になるから」
イケメンに背中を押されて檻の中にイン。
そろそろと檻は海の中へと降りて行くがイメージ 4
ハイお約束、檻を吊っていたワイヤーが
ぶっつりと切れてしまう。

『海底47m』

『アビス』や『スフィア』と言った
深海アドベンチャーでは水深数百メートル
というハードな極限状況が描かれていたが、
今回は「47m」。
大したことないんじゃないの?と思いがち
だが実はそうでもないらしい。
南の海とは言えこれだけ下がると水温は
10度以下、水圧も3~4くらいのGが
かかって来るとか。
太陽光の届かない闇の世界。
無線は繋がらない。
タンクの酸素も限りがある。
そんなの、檻から出て泳いで上がればイイ
じゃないかと思われるが、辺りには腹を
空かせた巨大ザメがうようよしてる。
なにより潜水病という厄介なやつがある。
水圧の高い海底から急に水面に上がると
血行障害を起こし、下手をすると死に至る。

なかなかハードな環境に置かれた
シチューションスリラーと言っていいが、
その鉄板の舞台をフルに活かせていたかとイメージ 5
言えばそうでもない。
サメくんはほぼビックリ箱的な役割に終始。
水圧や水温が脅威となる場面はほぼなく、
酸素切れの部分もいまひとつ緊迫感を出し
切れていない。
唯。底の見えない真っ暗な海の中で方向を
見失ってしまう件は『ゼロ・グラビティ』
のような恐怖を感じたが、ありえない偶然
で呆気なくクリアしてしまい残念。

決して悪い出来ではなく、
あくまでも巷のお笑いサメ映画に比べれば
至極真っ当で、そこそこ怖がることのでき
る良作と言っていい。
ただやはり
『ジョーズ』に『ロスト・バケーション』、
そして『オープン・ウォーター』と、
マジメなサメ映画の定番に比べると
どうしても物足りなさを感じてしまう。
もっとも今回のヒットを受けて2作目が
製作中とのこと。
監督は同じくヨハネス・ロバーツ。
果て、あそこからどう続けるつもりなんだ
ろう。期待しないで待ちましょう♪

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