原題 "IN A VALLEY OF VIOLENCE"![イメージ 1]()
製作年度 2016年
製作国 アメリカ
製作 ブラムハウス・プロダクションズ
リリース 2017年4月21日
上映時間 104分
製作年度 2016年
製作国 アメリカ
製作 ブラムハウス・プロダクションズ
リリース 2017年4月21日
上映時間 104分
監督、脚本、編集、製作 タイ・ウェスト
製作総指揮 ジャネット・ブリル
デヴィッド・L・シフ
アレックス・テイラー
製作 ジェイソン・ブラム
ジェイコブ・ジャフケ
ピーター・フォク
撮影 エリック・ロビンス
音楽 ジェフ・グレース
配役 テリー・テイラー
美術 ジェイド・ヒーリー
衣装 マルゴシア・タザンスカ
出演
イーサン・ホーク:ポール
ジョン・トラヴォルタ:保安官
タイッサ・ファーミガ:メリーアン
ジェームズ・ランソン:ギリー
カレン・ギラン:エレン![イメージ 2]()
トビー・ハス:ハリス
トミー・ノヒリー:タビー
ラリー・フェセンデン:ロイ
バーン・ゴーマン:神父
製作総指揮 ジャネット・ブリル
デヴィッド・L・シフ
アレックス・テイラー
製作 ジェイソン・ブラム
ジェイコブ・ジャフケ
ピーター・フォク
撮影 エリック・ロビンス
音楽 ジェフ・グレース
配役 テリー・テイラー
美術 ジェイド・ヒーリー
衣装 マルゴシア・タザンスカ
出演
イーサン・ホーク:ポール
ジョン・トラヴォルタ:保安官
タイッサ・ファーミガ:メリーアン
ジェームズ・ランソン:ギリー
カレン・ギラン:エレン
トビー・ハス:ハリス
トミー・ノヒリー:タビー
ラリー・フェセンデン:ロイ
バーン・ゴーマン:神父
鑑賞 2017年8月18日
DVD 字幕
発売元 NBCユニバーサル・エンターテインメント・ジャパン
★★★★☆
DVD 字幕
発売元 NBCユニバーサル・エンターテインメント・ジャパン
★★★★☆
タイ・ウェストと言えば
「帝王」イーライ・ロスもその才能に
ゾッコン惚れ込んだホラー界の逸材だけど、
この新作はなんと西部劇。
ウェストだけにウェスタン…とか、
まさかね(笑)こやつに限ってそんな
オヤジギャグをカマすはずがないわけで。
「帝王」イーライ・ロスもその才能に
ゾッコン惚れ込んだホラー界の逸材だけど、
この新作はなんと西部劇。
ウェストだけにウェスタン…とか、
まさかね(笑)こやつに限ってそんな
オヤジギャグをカマすはずがないわけで。
業界筋からの高評価の一方で、
この人の映画は「おそろしく退屈。」
そんな声が多いのもまた事実。
『インキーパーズ』は古ぼけたホテルを
舞台にした趣深いゴシックホラーでだったが、
ランタイム100分のうちラスト10分あたり![イメージ 3]()
までほぼ何も起こらないというなんとも
豪気な作りであった。そしてこれは決して
やらかしてしまったわけではなく、
本人曰く「非日常というのはある時突然に
やってくる。僕らはそれを予測できないし、
起きてしまったら止めることはできない。
その落差を描きたかったんだよ」
言われてみれば分からないこともないし
面白いとも思うけど、そんなのが
考えナシにお化け屋敷のホラーを観に来た
人間にどれだけ通じるんだという話だ。
それからウィンガードの『サプライズ』に
友情出演をした時のウェストは「妙にイケ
好かない自称映像作家」という役どころ
だったけども、これが必ずしもネタとも言い
切れないスタイルをこの人は持っている。
「低俗でお決まりのホラーなんか期待しな
いでくれよな。まあ、ぼくのファンなら
分かってくれてるはずだけど。」
こんなことを平気で言う。![イメージ 4]()
要はヘソマガリなのだ。
この人の映画は「おそろしく退屈。」
そんな声が多いのもまた事実。
『インキーパーズ』は古ぼけたホテルを
舞台にした趣深いゴシックホラーでだったが、
ランタイム100分のうちラスト10分あたり
までほぼ何も起こらないというなんとも
豪気な作りであった。そしてこれは決して
やらかしてしまったわけではなく、
本人曰く「非日常というのはある時突然に
やってくる。僕らはそれを予測できないし、
起きてしまったら止めることはできない。
その落差を描きたかったんだよ」
言われてみれば分からないこともないし
面白いとも思うけど、そんなのが
考えナシにお化け屋敷のホラーを観に来た
人間にどれだけ通じるんだという話だ。
それからウィンガードの『サプライズ』に
友情出演をした時のウェストは「妙にイケ
好かない自称映像作家」という役どころ
だったけども、これが必ずしもネタとも言い
切れないスタイルをこの人は持っている。
「低俗でお決まりのホラーなんか期待しな
いでくれよな。まあ、ぼくのファンなら
分かってくれてるはずだけど。」
こんなことを平気で言う。
要はヘソマガリなのだ。
そんなヘソマガリが撮ったウエスタン。
『情無用のジャンゴ』とか『エル・トポ』
みたいのを狙ってんのかと思いきや、
冒頭から『夕陽のガンマン』オマージュに
モリコーネ調のスコア。
バリバリのマカロニなのだ。
まず、マカロニも元々は邪道だしね。
ウェスト監督、ホントはこういう雑なのも
好きだったのねと勝手に同胞気分。
イーサン・ホークのニヒルな佇まいが
心なしイーストウッドにカブって見える。
『情無用のジャンゴ』とか『エル・トポ』
みたいのを狙ってんのかと思いきや、
冒頭から『夕陽のガンマン』オマージュに
モリコーネ調のスコア。
バリバリのマカロニなのだ。
まず、マカロニも元々は邪道だしね。
ウェスト監督、ホントはこういう雑なのも
好きだったのねと勝手に同胞気分。
イーサン・ホークのニヒルな佇まいが
心なしイーストウッドにカブって見える。
「暴虐の谷」にぶらりと現れた一人の男。
「よう、はぐれもん」
絡んでくる荒くれ者をはじめは相手に
しないでいたが、ゲスな輩にそんな態度が![イメージ 5]()
癇に障らぬはずもなく、そしてこういった
手合いはとにかくしつこい。
「ケンカは相手を見て売るこった」
いったんはあっさりブチのめすが、
実はこのゲスというのが保安官のバカ息子。
そのまま大人しく引き下がるはずもなく、
夜中に不意打ちを仕掛けて、あろうことか
はぐれ者の愛犬を嬲り殺しにしてしまう。
「よう、はぐれもん」
絡んでくる荒くれ者をはじめは相手に
しないでいたが、ゲスな輩にそんな態度が
癇に障らぬはずもなく、そしてこういった
手合いはとにかくしつこい。
「ケンカは相手を見て売るこった」
いったんはあっさりブチのめすが、
実はこのゲスというのが保安官のバカ息子。
そのまま大人しく引き下がるはずもなく、
夜中に不意打ちを仕掛けて、あろうことか
はぐれ者の愛犬を嬲り殺しにしてしまう。
……なんかこんな話最近もあったような。
そう、『ジョン・ウィック』。
どこぞのものとも知れないハグレ者が
実は殺人マシンでした。
『ジョン・ウィック』もワンコロ一匹
殺されて鬼と化したキアヌのヤリスギっ
ぷりが絶妙なユーモアになっていたが、
本作のイーサンにも同じ空気を感じる。
カッコいいんだけど、どこかヘンなのだ。
ズレてると言うか、偏ってると言うか。
決してボケてるんじゃないんだけど、
いまいち意思が伝わってない。
そして主人公だけじゃなく、登場人物
みんながこんな調子。
荒くれ者たちの怒りのツボとか
いちいち「え、そこ?」という感じだし、
女達のカン違いっぷりは公害レベル。![イメージ 6]()
「うちの姉さん、バカなのよ!」
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
のネビュラ役、カレン・ギランの
迫真のバカっぷりには目を見張った。
トドメはトラボルタの悪徳保安官。
言ってることはいちいち全うなのに、
さっぱり伝わらずに蜂の巣にされてしまう。
変化球でマニアックなオマージュマカロニ
と思わせといて、ウェスト監督の狙いは
むしろコレかと。
「いや、だからそうじゃなくて(苦笑)」
どうも相手の言ってることが分からない。
言いたいことが分かってもらえない。
そんなもどかしい思いは実際の日常生活
にもままあることだが、これをあるある的に
紡いだ、なんともテンション低めなコメディ
と言える。
そしてこうしたコミュニケーションの阻害が![イメージ 7]()
マカロニの荒涼とした空気にしっかり合って
いたりする。
やっぱりウェスト監督、タチが悪いなあ。
相変わらずヘソが曲がってると思うよ本当。
そう、『ジョン・ウィック』。
どこぞのものとも知れないハグレ者が
実は殺人マシンでした。
『ジョン・ウィック』もワンコロ一匹
殺されて鬼と化したキアヌのヤリスギっ
ぷりが絶妙なユーモアになっていたが、
本作のイーサンにも同じ空気を感じる。
カッコいいんだけど、どこかヘンなのだ。
ズレてると言うか、偏ってると言うか。
決してボケてるんじゃないんだけど、
いまいち意思が伝わってない。
そして主人公だけじゃなく、登場人物
みんながこんな調子。
荒くれ者たちの怒りのツボとか
いちいち「え、そこ?」という感じだし、
女達のカン違いっぷりは公害レベル。
「うちの姉さん、バカなのよ!」
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
のネビュラ役、カレン・ギランの
迫真のバカっぷりには目を見張った。
トドメはトラボルタの悪徳保安官。
言ってることはいちいち全うなのに、
さっぱり伝わらずに蜂の巣にされてしまう。
変化球でマニアックなオマージュマカロニ
と思わせといて、ウェスト監督の狙いは
むしろコレかと。
「いや、だからそうじゃなくて(苦笑)」
どうも相手の言ってることが分からない。
言いたいことが分かってもらえない。
そんなもどかしい思いは実際の日常生活
にもままあることだが、これをあるある的に
紡いだ、なんともテンション低めなコメディ
と言える。
そしてこうしたコミュニケーションの阻害が
マカロニの荒涼とした空気にしっかり合って
いたりする。
やっぱりウェスト監督、タチが悪いなあ。
相変わらずヘソが曲がってると思うよ本当。
結局あの可愛らしくて芸達者なワンコだけが、主人公の気持ちを理解し、まっすぐに
愛を示す存在だった。
かく言う自分もヘソマガリだけど、
ウェスト監督の言いたいことは
それなりに分かってると思うんだけど、
どんなもんだろう。…え、ぜんぜん違う??
かく言う自分もヘソマガリだけど、
ウェスト監督の言いたいことは
それなりに分かってると思うんだけど、
どんなもんだろう。…え、ぜんぜん違う??